オルガンの書籍

ここで紹介しているいくつかの書籍は、ハモンド・オルガンやコンボ・オルガン、オルガンのCDを取り上げた数少ない書籍です。 「ハモンドオルガンのすべて」、「Dictionary of HAMMOND-ORGAN STOPS」を除き、2002年4月時点で購入可能です。
記述内容は、上から
・書名
・著者
・出版社
・ISB No
・コメント
となっています。
電子音楽 in JAPAN
田中雄二
アスペクト
ISBN4-7572-0871-5
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約500ページにわたって、日本の電子楽器の歴史について書いてあります。冨田勲さんが、日本で始めてシンセサイザを輸入したときに、税関でそれが楽器であることを証明するのに一ヶ月もかかった話や、レオミュージックの長沢さんが、グループサウンズにハモンドを多く売っていたなど、それぞれの時代の音楽感覚やエピソードが満載です。
  1955年から1990年までを主に扱っていますが、20世紀の日本の電子音楽史のすべてがあるといっても過言ではないでしょう。
  聡明期の日本の電子音楽16曲のCD付きです。

 

ライフワークは音楽 電子楽器の開発にかけた夢
梯郁太郎
音楽之友社
ISBN4-276-23771-8
Roland会長の梯 郁太郎さんの自伝です。戦前に時計屋、ラジオ店を経てRolandがどのように今日の姿になったかが余すところなく書いてあります。特に興味深いのが、1971年にハモンド社から「ハモンドのB-3型オルガンの生産を中止する計画があるが日本で作るなら設備一切を移して生産を続けてもよい」というオファーを受けたくだり。B-3が消えていく瞬間が記述してあります。
  また、ドン・レスリーとのインタビューがあったり、梯さんのオルガンに対する情熱をいたるところで感じることができます。

 

Keyboard magazine 2002年5月号

株式会社リットーミュージック

その名も、「オルガンのすばらしき世界!」という特集があります。
  HAMMOND B-3(金子雄太さん)、CLAVIA DMI Nord Electro(坪内晶恭さん)、HAMMOND New B-3(河合代介さん)、KORG BX-3(ミッキー吉野さん)、ROLAND VK-8(小島良喜さん)の解説と試奏がCDに収められていて、試奏したフレーズの譜面がついています。また、それぞれの演奏者が3曲ずつオルガンのCDを推薦しています。

 

ハモンドオルガンのすべて
エース電子工業株式会社編集
ハモンドオルガンセンター

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写真の表紙を見てもわかるように、30年以上前の1969年5月29日に、ハモンドオルガンの輸入代理店をしていたエース電子工業株式会社から発行された書籍です。当時の定価は、450円です。表紙、裏表紙を除いて63ページあり、トーンホイール、ドローバーの簡単な説明があり、その後、L型、E型、T型、H型の取り扱い方法などが記載されています。
  巻末にハモンドの機種一覧があり、RT型、D型、A型、B型、C型、M型、K型、J型、コードオルガン、トーンキャビネット、レスリースピーカの主要機種が紹介されています。今、販売されていたらけっこう売れるのではないでしょうか。

 

The Hammond Organ Beauty in the B
Mark Vail
Miller Freeman Books

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Hammondを総合的に扱った本としては、世界で唯一ではないでしょうか? B-3を初めとする各種のHammondオルガンとLeslieスピーカが写真入りで紹介されています。また、Q&Aや何人かのオルガン奏者のTips、購入ガイドなどがあります。小さな間違いがいくつか指摘されていますが、それでも見ていて楽しい書籍です。Second Editionが2002年4月に出版され、徐々に手に入りにくくなると思います。日本の書店では、まず購入できませんが、amazon.co.jpなどのINTERNET上の書店で購入することができます。

 

The Hammond Organ Beauty in the B - Second Edition
Mark Vail
Backbeat Books

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上記の「The Hammond Organ Beauty in the B」のSecond Editionです。第一版にあった内容はほぼそのままの形で残っており、間違いもいくつか修正されています。第一版と比べて、約5ドル高くなっていますが、MASTER CLASSという奏法の解説、ハモンドクローン、レスリークローン、オルガン奏者とそのCDの紹介が追加され、ページ数も約80ページ増えています。収集家でもない限り、Second Editionだけで十分だと思います。

 

ベストカー情報版 おとなのJAZZスポット 142

講談社(三推社)
ISBN4-06-317139-6
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正確には、オルガンの本ではありませんが、東京、横浜、湘南地区のジャズのライブスポットを紹介した本です。しかし、ハモンドオルガンが聴ける店も何店か紹介されており、オルガン持込でライブをされるミュージシャンの方もいますので、あえて取り上げました。残念なのは、扱っているのが東京周辺だけということですね。せめて大都市圏だけでも扱っていると出張に行ったときにも楽しめるのに。

 

季刊ジャズ批評 No.105 特集オルガン・ジャズ

ジャズ批評社 株式会社松坂

名前からは、ジャズオルガン奏者しか出ていないと思うかもしれませんが、ロックオルガン奏者も、例えばFelix Cavaliereなどはちゃんと出ています。約400人のオルガン奏者とその代表作CDが紹介されています。また、Pete Fallicoの特別寄稿やYSの山本さん、小野みどりさんらによる座談会など他の内容も盛りだくさんです。
  下のコテコテと比べると、こちらの本はかなりまじめな内容となっていますが、下のコテコテも含めて、この2冊はオルガンCD(レコード)のバイブルです。

 

元祖コテコテ・デラックス
原田和典
ジャズ批評社 株式会社松坂
ISBN4-915557-03-0
コテコテ系のジャズ、ブルースなどのアーティストとそのCDを取り上げています。ジャンル別になっていて、オルガンジャズが最初にきているのが嬉しいですね。それぞれのCDに対して、いくつかの観点で★を使って、その度合いを示しているので参考になります。例えば、アドリブ度、スイング度、ゴージャス度、演歌度、ギトギト度、くどい度、俺が俺が度などまであります。
  ジャンルもかなりごった煮となっており、この本自体が、コテコテ自身と化しているといっても過言ではありません。
The Hammond B3 Disassembly & Restoration Manual
                                                            for Non-technicians
□ Wayne Prue
□ b3forsale.com
□ なし
自費出版にしろ、よくこんな本を、出したもんだと感心してしまいます。この本は、名前の通り、テクニシャンでない人のためのB-3のメンテナンスマニュアルです。START RUNスイッチのはずし方から始まって、バスバーのクリーニング、ビブラートスキャナーのクリーニング、ベースペダルの接点のクリーニングへと続きます。この本は、B3sForSale.comのWayne Prueによって執筆され、彼のノウハウが目いっぱい詰まったマニュアルです。$250(2004年4月16日現在)は、少し高いのですが、自費出版でありカラーの写真を多用しているので、これ以上は安くならないでしょう。一般の書店では購入できませんが、B3sForSale.comから購入することができます。説明は、すべて英語ですので、ご注意ください。
 



 
■ Dictionary of HAMMOND-ORGAN STOPS
□ STEVENS IRWIN
□ G. SCHIRMER, INC
□ なし
□ この本は、Portland, ORにある世界最大規模の書店であるPOWELL'Sのオルガンのコーナーで見つけた古本です。価格は、$12.50でした。全部で90ページ弱の本ですが、前半の約30ページがHammond OrganのSTOPを主とした機能的な説明(写真中)、残りがSTOPのレジストレーションとなっています。(写真下) レジストレーションは、その当時の楽器の音色を模したものがほとんどとなっています。
  この本がすばらしいのは、1939年に出版された本だということです。Hammondが開発されたのが1935年ですから、A型が出てから4年後に出版された本ということになります。
  この本の中にHammondの会社名が出てきますが、Hammond Instrument Companyと記述されています。
  また、もう一つの特徴は、そのHammond Instrument Companyが、この本のHammondのレジストレーションを実際にテストし、この本を承認しているところです。以下は、その部分の抜粋です。

  The compiler of this book is an experienced player and exponent of the Hammond Organ. In the course of his compilation he has submitted his manuscript for our examination and we have tested many of tonal combinations listed therein for their fidelity. We commend this book to the use of anyone interested in cultivating a comprehensive knowledge of the tonal resources of the Hammond Organ.
   Hammond Instrument Company



 


 
STANDARD JAZZ HAND-BOOK for ORGAN & PIANO 1 A to J
    STANDARD JAZZ HAND-BOOK for ORGAN & PIANO  2 L to Y
佐々木昭雄 編
中央アート出版社
ISBN4-8136-0284-3 および ISBN4-8136-0285-1
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この2冊は、「オルガンを習う」に入れるべきか「オルガンの書籍」に入れるべきか難しいところですが、要はスタンダードジャズを中心にした楽譜集です。曲名によって、A-Jまでが一冊目、LからYまでが2冊目に入っています。どちらもヴォイシング編と応用編から構成されていて、ヴォイシング編はスタンダードジャズを中心に各曲に簡単な曲の紹介と佐々木さんが編曲した楽譜が付いており、応用編はクラシックを中心にメロディとコードだけです。
  どちらも、自分で工夫して演奏するというスタンスのようです。なお、応用編に収録された曲は、Vol.1、Vol.2に同じものが収録されています。
  選曲は、神戸のイハラ楽器
庵原豊治さんです。
   
   
 
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