中尾國利さんによるB-3 & Leslie 122RVオーバーホール顛末記

Reported by HITOMICO

  去年の11月、当家にやって来たB-3と122RV。
  快調に鳴っておりますが、何分古い楽器の事(快調であればより良くしたいという気持ちが湧き上がり)気になるところも出てきました。
  かねてより中尾國利さんに調整をお願いしておりましたが、ハモンドのみならず、ロジャース、パイプオルガン、ピアノ・・・と引く手あまたの超多忙な方、やっと来訪が叶いました。

  私の調整希望箇所は、全般的なノイズ、本体なのかレスリーなのか分からなかったのですが、クリックノイズではないチリチリ・・というノイズが気になっていました。あとはペダルのリーケージノイズ、鍵盤のきしみ音、レスリーリバーブのハムノイズ、スロ ー/ファストの切り替えの遅さ等々・・・。

  気にする程のことか? といわれればその通りなのですが、要は一度中尾名人に診察をしてもらい、全体のオーバーホールができたらいいな・・・と思っていました。それが今日叶うのです。ワクワクです。

  中尾名人には前の楽器(コモドール328J3)の鍵盤修理に来てもらってますが、あいにく私は不在でした。今日は技を盗んでやろうと張り付いて写真を撮りました。
 


オペを待つB-3とLeslie
不安げに中尾名人を待つB-3とLeslie
 

 

 

 

中尾名人登場


激弾1
とりあえず楽器と会話することから始まります。
フルボリュームで弾くこと10分以上! これでどこが悪いのかを見抜きます。
私の調整希望など全くもって不要でした.全てお見通しでした。
 

激弾2
別アングルからの名人激弾です。ジェラシーを感じるほどの腕前です。
“愛の賛歌”・・弾きこなしてます! だからこそ楽器と会話できるのです。
 

秘密?の工具箱
名人愛用の工具達です。 
いつもビニールシートを広げて整然と並べます。
 


足が痛いの?
と語りかけるようにやさしく接する名人、本当に丁寧です。
ペダルのリーケージノイズは,先端のベロの調整で直りました。
 

お腹はどうかな?
 

お腹丸出し
本体プリアンプを点検 コンデンサーも劣化していないとの事。安心!
 

キーボード注油
ここで秘密兵器が登場します。 きしみ音は一掃されました。
 

ドローバークリーニング
ドローバーを徹底的に洗浄します。ここでも秘密兵器が登場します。
 

ここでっせ!パワーアンプ
名人は立ち上がりの悪さを見抜いてました!!
 

執刀
レスリーのパワーアンプのレスポンス改善の為に、抵抗を交換。
モーターのスイッチングもアンプを介在させているので効果ありとの事。
結果は激変でした! 回転スピードも上がり、すばやく最高回転に達します。
もちろん音の立ち上がりも良くなってます。
 

まだまだ現役
パワーアンプの真空管達。全て純正のものです。
 









モーターチェック&注油
モーターマウントのゴムは要交換でした。注油をして点検 OK!


オペ成功
 B-3&Leslie全ての作業が終了し完全回復を果たしました。
作業時間はおよそ4時間。とても丁寧で、安心してお任せできます。
肝心の音はどうか?…それはもう「同じ楽器とは思えない!」の一言です。
調整だけでこんなに変わるんですねえ!? 驚きです。
 

オペ終了・満足
いい仕事をした満足感でいっぱいの名人。
帰路につくかと思いきや・・「当家よりもっと山奥にピアノの修理」との事。もう6時ですよ。

 

以上、中尾名人のB-3 & Leslie122RVオーバーホールの一部始終でした。

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