ハモンドオルガンとレズリースピーカーのFAQへようこそ。このFAQは、ハモンドとレズリーの情報、神話、知識の源として、また、ハモンドのエキスパート、初心者、単なる訪問者の方々に楽しんでもらうことを目的としています。熱狂的な言葉の中に、実際に役に立つ情報が見つけられると思います。このFAQ中の情報は、いろいろな情報源から集められていますが、良質な情報の多くはHammond Technical Mailing Listに投稿されたものです。 (1)
ここ十数年間、ハモンドオルガンは、ポピュラーミュージックにおいてあまり聞かれませんでした。しかし、一時期は、ハモンドなしに本当のバンドと言えない時代がありました。最近になって、再び、ハモンドオルガンの音は、現代音楽において、聞くことができるようになりました。それは、最近のポピュラー音楽の「レトロ」ブームによって表面化しました。ハモンド/レズリーは、現代のポップミュージックグループによって演奏されています。米国のコンサートのステージで、深夜のトークショーで、普通に見ることができるようになりました。しかし、時々、コンソールの外枠をわしづかみにして、レズリーの回転が定常状態になるまでの間にドローバを操作するようなベテランも、見ることができるようになりました。ハモンドが、ごろごろ鳴り始め、手のひらがゆっくりと上昇するグリッサンドを奏で、ボリュームペダルが床まで踏みつけられ、ハモンドの咆哮が始まります。レズリーは、最高速で回り始め、目が閉じられ、両手が広げられ、両方のマニュアルを使用したドミナントコードが、聞こえ始めます・・・。
しかし、話は横道に逸れます。
ハモンドとレズリーの信仰者の中に沸き起こる熱狂的な気持ちは、いったいなんなのでしょうか?なぜ私たちは、ハモンドを楽器と考え、他のキーボードをただの箱に鍵盤がついただけのものと考えるのでしょうか?
もちろん、その音色があります・・・
何人かは、ハモンドオルガンが長いこと身近にあったからというかもしれません。恐らく、これらは真実です。そして、長い時間をかけて後天的に獲得した絶対的な音に対しては、ここでは誰も描写しようとは思わないでしょう。しかし、ここに収録されたディスコグラフィー中のベストアルバムを聴くだけで、ハモンドを知らない人たちを虜にすることができるはずです。これらの音楽は、オルガン奏者の感情を、そのリスナーに呼び起こす能力がハモンドオルガンにあることを実証します。その能力は、多くの人たちが楽器に対して持っている熱狂の本質なのです。ハモンド/レズリーは、アコースティックな楽器であり、一方、現代のキーボード、コントローラー、ワークステーションは、この有機的な部分を持っていません。
また、その技術があります・・・
トーンホイールハモンドの後部のカバーをはずし、その内側に頭を突っ込んだ時に、まず第一に気づくものは、そうです...油と木の匂いです。プリアンプの後ろに、トーンジェネレータ(ハモンドの音の心臓部)は位置します。歯車、シャフト、ベアリングおよびワイヤーから構成されるトーンジェネレータは、1940年代アメリカの過剰なまでの工学技術の典型例です。ハモンドの他のパーツも同様に高い品質を持っており、手作りされたものです。
そして、パーツは今でも、なお入手可能です。2030年になったら、Rolakorgamaha
BS-1の部品が入手できるかどうか試してみてください。でも、何でそんなことをするのかって?ハモンドオルガンのメンテナンスは、楽しみでもあるのです。
ハモンドトーンホイールオルガンは、1935年4月にローレンス・ハモンドによって最初に公開され、競合他社の製品が優劣を競い合う対象となりました。その技術を以下に簡単に説明します。この技術は、最近生産されたハモンドオルガンでは使用されていません。
ハモンドコンソールオルガンは61個のキーを持ったマニュアル(鍵盤)を2組持っています。下側をローワ又はグレートと呼び、上側をアッパ又はスェルと呼びます。そしてペダルは、25個のキーから構成されます。コンサート・モデルは32個のキーを持つ足鍵盤を持っています。
ハモンドトーンホイールオルガンの秘密は音の生成方法にあります。トーンジェネレータアセンブリは、AC同期モータ、トーンホイール、磁石とコイルから構成されます。AC同期モータは、ギアボックスに接続されトーンホイールをドライブします。回転するトーンホイールは、磁石とコイルのアセンブリに隣接します。トーンホイール上のこぶと回転速度によって、トーンホイールの生成する音のピッチが決まります。ピッチは、ちゃんとチューニングされたものでも、それぞれ接近しています。(ピッチの計算は、整数だけで行われています。)
オルガンの音は、基本音といくつかの倍音から構成されます。ハモンドオルガンでは、基本音および8つまでの倍音が使用可能で、音の構成は、ドローバー、プリセットキー、ボタンによってコントロールされます。ある設定は、1つのマニュアル、つまり、グレートかスェルに適用されます。(倍音の調節は、各マニュアルごとに独立して行えます。) ハモンドオルガンは、付加的な音の合成によって、その音色を生成します。
ハモンドパーカッションは、特許を取得した回路によって作られ、音のアタックを変更することによって生成されます。それはパーカッション・シグナルという付加的な音を、キーが押された時に加えることによって生成されます。パーカッション・シグナルの波形は、ある減衰特性によって制御されます。パーカッション・シグナルの周波数は、押されたキーの2倍音又は3倍音が使われます。この効果によって、キーを押した時に、チン又はピンというような音が聞こえます。
現代のキーボード用語では、ハモンドのパーカッションは、「シングルトリガード」と呼ばれています。パーカッションアンプは、キーが何も押されていない状態で、一つのキーが押された時にだけ起動されます。一回起動されると、アッパ・マニュアル・キーのどれかのキーが押下され続けている限り、別のキーが押下されても、パーカッションは効きません。したがって、連続するノートのそれぞれの音に、パーカッションを効かせるためには、次のキーを押す前に、前のキーを完全に離しておくというテクニックが必要です。
パーカッションが有効になる場合、各キーに接触する倍音バスバー(busbar)がパーカッションアンプを起動するために使用されます。これは、音を作るパレットから、1つのドローバーの倍音成分を取り除いてしまいます。出荷時のセット・アップでは、9番目のドローバーの倍音を削除しています。パーカッション回路は、どの倍音成分の接点でもパーカッションの起動に利用できるように改造することができます。詳しくは、「セクション1.10.7 パーカッションキーソースの変更方法」を見てください。
コンソールオルガンでは、アッパ・マニュアルだけがパーカッションを利用でき、かつ「B」プリセットを使用している時にだけ利用できます。
初期のハモンドオルガンの音は、ある音によってパイプオルガンとは異なりました。クリック音というポンというような過渡的なアタック音が、キーが押された時にあったためです。これは欠点と考えられました。その音を無くすために相当な設計努力が払われましたが、結局除去することはできませんでした。しかし、その後、クリック音は、ロックやブルースのプレーヤからは、望ましい音として認められ、何人かのジャズ・オルガン奏者はそれを欠くことのできないものと考えるようになりました。多くのハモンドオルガン・シミュレータは、このクリック音を再生するためのメカニズムを持っています。
ビブラートのセッティングとしてV1、V2、V3、コーラスのセッティングとしてC1、C2、C3のそれぞれ三種類が提供されました。
ビブラートはピッチを周期的に上げ下げするものであり、ピッチの大きさだけを変化させるトレモロとは、基本的に異なります。ハモンドのビブラートは、タップド・ディレイ・ライン(a tapped delay line)を使用しており、実際には低域フィルターとなっています。信号が、このディレイ・ラインに与えられ、トーンジェネレータアセンブリの一端へ接続された回転スキャナが、タップ・ポイントでディレイ・ラインの信号を拾います。スキャナ(単一ポール、16スロー(throw)、空気誘電体コンデンサー・スイッチ)が接続され、タップ・ポイントがディレイ・ライン全体を、一回転で2度横断(一度は上に、もう一度は下に)するようになっています。ディレイ・ラインを横断することによって、位相が信号から加算・減算されます。
コーラス信号は、ピッチに変更のない信号にピッチが変更された信号を加えることによって生成されます。
三つのセッティングは、各々ビブラートとコーラスに異なる量の遅延を与えていますので、異なるピッチ変更量を与えています。
ピッチを変える機能に加えて、ハモンドオルガンのビブラートは、さらに、掃引ローパスフィルターの役目もします。タップ・ポイントでフィルタが掃引されると、ある周波数レスポンスと振幅変化があります。
スキャナは、単一ポール、16スローのロータリー・スイッチとして使用されます。16の固定子ポールと1つのロータを持った多重プレート空気誘電体コンデンサーとして構築されています。ビブラートディレイ・ラインと共に使用され、コーラス/ビブラート効果を作り出します。
ドローバー設定に関する多くの議論がハモンドメーリング・リストでなされました。有名なハモンドプレーヤーによって、あるいは有名なレコードの中で使用された設定に関して公表されたすべてが、あまり当てにならないということは、一般的に良く知られていました。例を示しましょう。ここに、Sal Azzが、このことについて投稿した内容があります。
“私は、そのとき持っていたハモンドの楽譜が原因で、ひどい目にあいました。私は、1965年にEdmy Musicが発行した「ハモンドオルガン・ジミー・スミスの音」(Sounds of Jimmy Smith at the Hammond Organ)を持っていました。ハモンドタイムズのレビューを読んで、1966年に通信販売で買ったものでした。14歳の私でさえ、その本を開いた時に、二流の本だということが分かりました。もちろん、それはジミー・スミスによって演奏されたものだとは書いていません。その本は、三つの内容について記述してありました。The Sermonの設定を見てみましょう。”
Upper: 468364876 Lower: 006545456 Pedal: 82 Vibrato: OFF“確かに、このペダル設定で弾いたら、振動で壁からいろいろなものが落ちてくるだろうし、愛犬だって落ちてくるものを避けながら、あまりのひどさに笑い死にしてしまうかもしれません。どこからこんなひどい情報を仕入れたんだろう?少なくとも、調記号だけはあってたんですけど・・・”
もちろん、Sal以外にも、最近の出版物に対して山ほど言いたいことがある人がいて、もし、それらについて、これ以上知りたければ、メーリング・リストのアーカイブをチェックしてください。結局のところ、ほとんどのプレーヤーは何種類かのドローバーセッティングだけを使っています。以下が、出版界ではじめて明らかにされる、ほとんどのプレーヤーが使用しているプリセット設定とドローバー設定です。これらを使用すれば、現存するジャズ録音の90%を、あなたのオルガンで出すことができるでしょう。
(2)
Registration: 888000000 Percussion: Soft/Fast Attack Vibrato: V-3/C-3を好みによってOn又はOffする。 - 又は - Registration: 88800000x ...1'を口笛の好みに合わせて調整する。 Percussion: Off Vibrato: On/Off
Registration: 888888888 Vibrato: C-3 ビブラートをを好みによってOn又はOffする。 レズリーはFAST又はoffにする。
Registration: 838000000 Vibrato: C-3 ビブラートをを好みによってOn又はOffする。 Comment: 左手でベースを弾き、右手はcompを弾く。
Registration: 008600000 8'と4'は好みによって。 Pedals: x0 16'を好みによって。 Comment: ペダルでベースを弾くときは、左手でコードを弾く。
メーリング・リスト上で「エロル・ガーナースタイル」と言われた、もう一つの特別な設定があります。このスタイルは、いくつかの録音で聞くことができます。それらの中で・・・
J. Smith: Crazy Baby
の"Mack the Knife" と"Makin' Whoppee"、 Organ Grinder Swing.の"Satin Doll"J. McGriff: A Bagful of Soul
の"I Cover the Waterfront"、Live at the Apolloの"Frame for the Blues"Joey DeFrancesco: Live at the Five Spot
の"Work Song" and "All of Me"、 Street of Dreamsの"On the Street of Dreams"このスタイルで最も良く使用される設定は、800008888です。C-3コーラスで速いレズリーの組合せで試みてください。アッパー・ドローバーは、オルガンとレズリーの明るさを補うために調節する必要があるかもしれません。
|
ハモンドコンソール・モデルのマニュアルは61個のキーを持っています。61個のキーすべてに9個の倍音を出すために必要なトンホイールの数は、109ですが、すべてのコンソール・モデルは、82個または91個の周波数ジェネレーターしか持っていないということから、あるキーの高音の倍音は、マニュアルの高音部分のキーと同じものが使用されていることが分かります。この繰り返しの特性(上位オクターブの音が、下位オクターブの倍音として使われるという)は、フォールドバックと呼ばれます。ほとんどのコンソールオルガンは、さらにマニュアル中の最低オクターブのドローバー1のフォールドバックを持っています。つまり、次の上位オクターブのドローバー1の倍音を使用します。
91個の周波数ジェネレーターを持っていた最も初期のコンソールオルガンは、下位オクターブのフォールドバックを持っていません。最も低音の12のトーンジェネレータの出力は、マニュアルの最も低音のオクターブの一つ目のドローバーで使用されています。他のコンソールオルガンでは、最も低音の12個のトーンジェネレータは、ペダルでのみ使用されています。
なぜより低いオクターブのフォールドバックが導入されたかに関して正式な(ハモンド公認の)説明は、まだ見つかっていないのですが、それらしい説明が、サービス・マニュアルの様々なトーンジェネレータモデルの記述中にあります。
最初のトーンジェネレータは91個の周波数ジェネレーターを持っていました。これらのジェネレーターでは、最も低い12個の周波数が二つの歯を備えた12個のホイールによって生成されました。続いて、82個の周波数ジェネレーターが導入された時、低いほうのオクターブのフォールドバックが実現されました。低い9個の周波数が省略され、マニュアルとペダルの結線変更によって、これらのジェネレータが不必要になったと、サービス・マニュアルに記述されています。サービス・マニュアルによると、ワイドバージョンである91台の周波数ジェネレーターが導入された時、「...オリジナルの12個の2枚の歯(two-toothed)を持ったホイールは、12個の2枚の歯を持った複雑なトーンホイールに置き換えられ、そのトーンホイールは、奇数の倍音によって豊かになった基本音を提供するようになった。」となっています。したがって、これら、低い12の周波数は、残りの72個と比べて、異なる倍音成分を持っていたことになります。
複雑なトーンホイールを備えた91個の周波数ジェネレーターを持つナローバージョンは、B-3、C-3、RT-3、A-100、D-100および初期のモデルのいくつかで使用されています。異なるトーンジェネレータ(したがって異なるフォールドバック)を持っているモデルの詳細を以下に示します。 (3)
最も低いオクターブにフォールドバックを持っていない(そして91個の周波数トーンジェネレータを持っている)モデルは、次のとおりです。
Model A: serial 1 - 2676 | |||||||||
Model B: serial 4000 - 10549
Model C: serial 1 - 1247
| Model D: serial 1 - 3143
| Model E: serial 8000 - 8663
| Player consoles: serial 9000 - 9209 | |
最も低いオクターブにフォールドバックを持っている(そして82個の周波数トーンジェネレータを持っている)モデルは、次のとおりです。
Model A: serial 2677 - 2711 | |||||||||||
Model B: serial 10550 - 17074
Model C: serial 1248 - 17074
| Model D: serial 3144 - 17074
| Model E: serial 8664 - 8739
| Model G: serial 4101 - 7349
| Player consoles: serial 9210 only | |
最も低いオクターブの12音すべてにフォールドバックを持っている(そして91個の周波数トーンジェネレータを持ち、1から12の周波数に対応する12個は複雑なトーンホイールである)モデルは、次のとおりです。
Model BV: serial 17075 and above | |
Model CV: serial 17075 and above |
ついでに、複雑なトーンホイールと通常のトーンホイールでは聞いた分かる範囲で、音の違いがあります。
ハモンドのオーナーズ・マニュアルとサービス・マニュアルは、今でも入手することができます。Organ Service社から、すべてのハモンドのマニュアルを入手することができます。他のベンダーは、限られたハモンド、主にA、B、C、RT用のマニュアルを扱っています。theatreorgans.comサイトのハモンド・ショップ・リストをご覧下さい。
いろいろな人が、ハモンドにどれくらい頻繁に油を差さなければならないのか、そして注しすぎてもだいじょうぶなのかをよく質問します。サービス・マニュアルによると、一年に一度ハモンドオイルをささなければいけないとなっています。ハモンドオイルは多数のオルガンパーツサプライヤから入手することが可能です。 (4) 1年に1度油を差すことによって、ハモンドは油が充分さされた状態になります。油が非常によく差されると、オルガンの下のカーペット、あなたの足、犬も油だらけになります。サービス・マニュアルには書かれていませんが、この便利なビルトイン型のオーバーオイルインジケータは、ジェネレータにオイルをかけ過ぎてはいけないことを示しています。下に何があろうとも、ジェネレータの底からしずくとして余計な油を落とます。スキャナに油をさしすぎて問題が起きたという報告がありました。また、スキャナのクリーニングと分解組立ては、高価です。セクション1.10.5 に、Jerry WelchによるOrgan Service Companyのにおいてどのようにビブラートスキャナが組み立てられているか、がありますのでそちらも参照してください。本当は、カップ中の芯だけが浸されるだけで良いのに、オイルカップになみなみとオイルを入れてしまい、過オイル状態にしてしまう人が多いようです。スキャナ・オイル・カップは、トーンジェネレータの左端の駆動モータとスキャナの間にあります。メインジェネレータへは、ジェネレーターの上に位置する2個の漏斗へ茶さじ2杯のオイルを直接入れることにより、最もうまく油をさすことができます。
典型的なB-3購入に対する注意点です。 (5):
偶然B-3を見つけたとして、それが最後の生産年(1974年)のオルガンであっても、少なくとも生産されてから20年以上経っていること、約30年間で数10万台生産されたものの中の1台であることを思い出してください。中古オルガン市場で見つかる平均的なB-3は、30年前のものです。それより古いB-2、C-2などのモデルでは、キャビネットのコンディコションにかかわらず40から50年前のものが平均的です。 | |
今、購入しようと思っているものを確認してください。多くの場合、経験のない売り手は、今売ろうとしているものが、どういうものであるのかを知らないでしょう。「B-3とレズリー」として広告されているものが、結局、BVとハモンドトーンキャビネットかも知れません。生産メーカーのプレートのデータをチェックしてください。知識を駆使して、そのモデルにあるはずの(あるいはないはずの)特徴を確認してください。 | |
オルガンのキャビネット全体がどういう状態かを調べてください。今までどういう扱いを受けてきたかが分かります。もし、木製パーツが欠損している、キーが壊れているなどの外見上の問題があれば、オルガンが使用上そうなったのか、大切に扱われなかったのでそうなったのかを、あなた自身で評価しなければならないことを頭に入れておいてください。 | |
オルガンをスタートさせてください(以下を参照)。各マニュアル上のそれぞれのドローバーをテストしてください。B-3コンソールオルガンあるいは他のコンソールオルガンでは、A#やBのプリセット(逆の色の鍵盤)を使用して対応する9個のドローバーをチェックしてください。一番左のドローバーセットがアッパーマニュアルのA#プリセットセットです。二番目のドローバーセットはアッパーマニュアルのBプリセットです。、中間の二つのドローバーはペダル用です。三番目のセットはローワマニュアルのA#プリセット用ものです。4番目のセットは、ローワマニュアルのBプリセット用です。マニュアルのキーを押下して、それぞれのドローバが音を確実に出しているかを確認してください。もちろん、プリセットとドローバーが対応していることも確認してください。 |
そして、検査するプリセットとドローバーのグループごとに、一番右のドローバーだけを引き出して、一番左のCから一番右のCまで、61個の音を確認してください。B-3オルガンと類似したオルガンでは、マニュアルの配線によって、最初のオクターブは繰り返し使用されていて正常です。(しかし、この動作は、最も初期のいくつかのモデルには当てはまりません。)そして、一番の茶色のドローバーを引っ込め、最後の白いドローバーを引き出します。そして、同じマニュアルの二番目のCを押すと、最初のドローバが出していた61番のキーの音と同じであることが分かると思います。最後のCは最初の茶色のドローバが引き出されたときのものです。まだ試していないキーについて、同じ音が再び使用される最後のオクターブのF#まで確認してください。この音の繰返しはフォールドバックと呼ばれ、クラシックなB-3の音において、非常に重要な要素です。
すべてのドローバーグループおよび両方のマニュアルに対して上記のテストを繰り返してください。さらに、各々すべてのドローバーにおいて、すべてのキーがきちんと鳴ることを確かめてください。もし、出ない音があれば、最も単純な場合だとトーンホイールジェネレータの配線に問題があるか、マニュアルのハーネスに問題があるか、マニュアルの抵抗の配線に問題があるか、はたまた、それ以外に問題があることになります。いくつかの問題は簡単に修理でき、いくつかはとても厄介です。 | |
次に、B-3オルガンやいくつかのオルガンに装備されているパーカッションをチェックします。パーカッションは、Bプリセットが選択されているアッパーマニュアルでだけ動作することに注意してください。ローワマニュアルでは動作しませんし、その他のプリセットでも動作しません。すべてのドローバーを中に押し込んで、アッパーマニュアルのBプリセットを選択し、パーカッションをONにして弾いてみてください。減衰(decay)が聞こえるでしょうか?減衰と「SECOND/THIRD」の倍音ロッカースイッチをチェックしてください。「NORMAL/FAST DECAY」は次のように機能するはずです。FASTは、約1秒で減衰します。NORMALは約4秒で減衰するはずです。減衰設定用のアジャスタが、プリアンプにあります。パーカッションの効果が得られなければ、チェックの方法が正しいか確認してください。これは、単に12AU7真空管がだめになっているか、パーカッション変換機に問題があるか、あるいは他の問題かもしれません。 | |
オルガンをスタートする時には、STARTとRUNモータの音を聞いてください。それぞれのスイッチがONにセットされた時に、それぞれのモータが正しく機能しているかを確認してください。 |
ハモンドオルガンのスタート方法
START
スイッチをONにし、そのまま8秒間保持します。そしてSTARTスイッチをONにしたままで、RUNスイッチをONにし、両方のスイッチをONのまま4秒間保持します。両方のスイッチから手を放してください。STARTスイッチはOFFの位置へ戻りますが、RUNスイッチはONの位置にとどまります。
ペダルを試してみてください。ペダルドローバー(オルガンの中心にあり、9個のマニュアルドローバーのセットの間にあります。)の、一つを引き出し、各ペダルを弾いてみます。そして、最初のドローバーを押し込め、もう一方のドローバーを引き出し、テストを繰り返してください。 | |
各マニュアルのビブラートをチェックしてください。SWELL・ビブラート・スイッチはアッパーマニュアル用で、GREATはローワマニュアル用です。黒いビブラート・ノブのすべての位置(V1、V2、V3、C1、C2、C3)でチェックしてください。コーラス又はビブラートの音が途切れ途切れに聞こえるか、まったく聞こえない場合には、修理の必要があります。古いオルガンで良くあるトラブルは、ビブラートおよびコーラスの途切れ途切れの音(choppy)または「モーターボーティング(motorboating)」ですが、この場合にはビブラート・スキャナの分解修理が必要です。その他の可能性としては、プリアンプ・コンポーネントの問題、真空管の不良、ビブラート・ライン・ボックスのコンポーネント不良などがあります。これらの修理のどれもが、オーナが自分でやれるというほど簡単ではありません。 | |
レズリーが含まれている場合、そのモデルとレズリーのオペレーションを確認します。キャビネットの状態だけで判断しないで下さい。レズリーにケーブルを接続し、レズリーの回転速度が変更できて、上部のホーンと下部のウーファから出力される音に問題がないことを確認してください。レズリーが、A-100などのようにキャビネット内部にスピーカを持つオルガンといっしょの場合には、レズリーだけから音が出力されるようにしてチェックしてください。オルガン内部のスピーカーから出力される音によって、レズリーに内在するかもしれない音の問題がかき消してしまう可能性があるからです。完全なレズリーは、背部がいくつかの木工部品で構成されています。(122/142/147/145モデルは3つの部品で構成されます。) | |
多くのオルガン取り引きが、問題のあるレズリーによって不快なものになっています。もし、何か動作しないことがあってもビックリしないようにしなければなりません。すべてのオルガンがB-3だとは限りませんし、すべてのレズリーが122や147だとは限りません。ハモンドまたはレズリーのどちらかが、とても広告するようなものでないとか、不完全であるとか、欠陥があるなどが判明した場合には、提示された値段を下げて、落ち着いてください。交渉が不快なものになりそうであれば、あるいは何かが正当でないと思ったら、手を引くことです。 |
また、買いたいオルガンについてメーリング・リストに尋ねる場合に役に立つ、Bob Schleicherの中古オルガン評価基準があります。
中古オルガン評価基準
(傑出した)
- OUTSTANDING
新品またはそれ以上にに見え、外見と同じレベルで動作する。傷や日焼けがなく、オリジナルの仕上げを保っている。どこにも使いこんだ形跡がない。メードが毎日磨いていて、年一回のメンテナンスを怠っておらず、サービスマンは、靴を脱いでメンテナンスをしていたもの。 EXCELLENT (エクセレント)キャビネットに若干の傷があるが、オリジナルの仕上げである。小さなタッチアップなどはOKである。完全に機能し、メンテナンスもしっかり行われている。 VERY GOOD (非常に良好)EXCELLENT と同じ外観の状態であるが、バスルーブ(busslube)、スキャナ、他の部分に小規模な修理がされている。専門家によって、再仕上げされたものでも良い。GOOD (良好)修理可能な程度の通常のキャビネットの欠陥。生産後年数に相当する経年変化とキーボード及びジェネレーターについては大きな問題ががないこと。 (相応)
- FAIR
プロのメンテナンスサービスを受けたことがある。キーボード、アップストップフエルト及びバスルーブは調整が必要である。キャビネットは、リストアしても良い状態に戻すことは難しい。オルガンに足りない部品などはなく、ペダルとベンチがある。 (水準以下)
- POOR
キャビネットおよび機械的に大きな問題がある。現実的にリストアする対象ではない。動くかもしれないし動かないかもしれないが、足りないものはない。これは、道路に何年もあったか、教会の中で壊れたものです。 (パーツ)
- PARTS
少なくとも、いくつかの使用可能な部品がある。リストアトレーニング用に適している。恐らく、キーボードに接触不良などがあり、動作しないジェネレーター、不良のスキャナ、なくなってしまった部品があったりする。 高まるハモンドの人気によって、ハモンドの所有者は、すべて24金であると思っています。しかし事実は、いくらお金と時間をかけても、リストアできないかもしれません。
購入には、十分注意してください!!
下記の方法および手順は、自分のオルガンを自分で修理したい人たちを対象にしています。それらは多様なレベルがあり、ドローバーのクリーニング手順から、潜在的にダメージを与えるバスバーにオイル(lubing)をさす方法まであります。手順はたぶん以前の経験をもとに記述されています。
サービス・マニュアルでは、状況が悪くなるに従って三つのステップ紹介されてます。
手順(3)に関する警告が、Keyboard articleの1991年11月にあります。
「これは非常に危険です。・・・ そして、バスバーが完全な状態であることが分かる専門家以外の人が行ってはいけません。もしキーが使いこまれ、接点に傷がついていれば、キーが押下された状態でバスバーを回すことによって、接点のワイヤーを二つに切断してしまうかもしれません。」
さらに、プリセットキーは、通常のキーと同じ接点などを使用して実装されています。したがって、(2)や(3)の方法でバスバーシフターを調整するのであれば、どのプリセットキーも掛け金を降ろしていないことを確認してからにして下さい。さもなければ、上記の(3)の説明と同じダメージを与えてしまうことになります。
提案を一つ・・・
「最初に、すべてのドローバーを一番ボリュームの大きな位置まで引き出して下さい。オルガンの後部から、Cramolin R-5(6)、Contact Cleanなどの接点復活剤をドローバーの後ろにスプレーします。その際には、スプレーに付属している延長ノズルを使用してください。その後、各ドローバーを完全に中へおしこめ、さらに引き出す操作を数回行い、酸化物とほこりを溶かして下さい。第2の方法は、第1の方法に似ていますが、ワセリンを含ませたテープヘッドクリーニング用の綿棒をドローバーの後ろから差し込み、ドローバーベースの表面を注意してコーティングします。初期のハモンドの騒々しい”ラチェットドローバー”を静かにするのに、これはうまくいきます。」 (7)
そして、
ドローバーの接点をはずし、接点研磨機で磨きます。ニクロム抵抗ワイヤー(1オーム)を壊さないように十分注意してください。もし、誤って切断しても、半田付けしようとしてはいけません。1/8ワットの1オームの抵抗を買い、ワイヤーがあった位置に、購入した抵抗を半田付けします。抵抗は問題なく動作します。 (8)
オルガンの中では、レズリーを駆動するためにAO-28プリアンプ(さらにM3)を使用しています。ドライブレベルを調節することによって、好みに応じた古典的なハモンドのグロールサウンドかクリーンなオルガンサウンドを得ることができます。プリアンプドライブレベルは、スェル用のコンデンサを収納しているボックスのカバーの取り外し可能なプラグの後ろにあるトリマコンデンサを調整することによって、調整します。
推奨される方法を紹介します。 (9)
準備:
A#プリセットキーを選択し、アッパーマニュアルの設定を80 8808 008(第一の茶色のドローバと白いドローバ4本全部を8の位置まで引きます。)に設定します。エクスプレッションペダルは完全(最大のボリューム)に踏み込みます。ビブラートおよびパーカッションはOFFにします。 | |
通常、ペダルを使用するのであれば、第一(16')のペダルドローバーを8の位置まで引き出してください。オルガンのプリアンプトリマを右回りに、いっぱいまで回します。 | |
真空管・アンプを使用したレズリーの場合には、ボリューム・コントロール右回りに、いっぱいまで回します。ソリッドステート・レズリー(760、722、860、900など)の場合には、すべてのアンプのつまみは、ほぼ、めいっぱい右に回します。 |
手順(二人必要です。):
1人は、アッパーマニュアルで5本の指を使ってCのコードを弾きます。通常ベースを弾かないのであれば、10本の指でCのコードを弾いてください。下のオクターブで弾かないで、現実的なフルコードを弾いてください。通常、左手でベースを弾く人は、最初の4つのドローバーを8の位置まで引き出して、ローワマニュアルの最初のオクターブを使ってベースを弾いてください。ペダルを通常使用するのであれば、低いCのペダルを弾いてください。 | |
一人が上に書いたことを弾いている間に、もう一人がトリマを左に少しづつ回します。ただし、1回転以上回さないでください。トリマを回すにしたがって、オルガン/レズリーの音はだんだん大きくなります。まだ、歪むほど回してはいけません。 | |
クリーンなオルガンのトーンが好みであれば、レズリーの音が歪み始めるより少し小さな音が適切です。 |
歪んだ音が好みであれば、歪み始めたところより、少しだけ大きめ(約1/8回転)が適切です。
警告:
トリマをそれ以上回して、ドライブレベルを上げることは、その結果生じる歪みによって上部ドライバとウーファを過度に加熱させ、早期故障を引き起こすなどの問題を生じさせることになります。古典的ハモンドのグロールは、オルガンとレズリーのメンテナンスと正しいプリアンプの調整の結果、生まれるものです。ほとんどのオルガンでは、トリマを1〜1.5回転以内しか調節できないようにするべきです。
テスト:
新たに調整されたオルガンおよびレズリーをテストするために―最大のボリュームで少し歪むように調整したのであれば、最初の二つのドローバーを6の位置まで2クリックほど押し込むことによって歪みは消滅するか、非常に小さくなります。音自体は、まだ大きいのですがクリーンであり、歪みはないはずです。結果として、いくぶんかのハモンドグロールを得ることができ、クリーンなオルガンサウンドを得ることができます。
ソリッドステート Trek-II プリアンプを備えたオルガンでは、同じように設定するべきですが、プリアンプの最大ボリュームレベルは、スェルペダルのコントロールアームに付けられたボリュームポットで調整します。設定用のねじをゆるめ、アームのポットを小さなドライバで回してください。このときに、アームをはずしてはいけません。他の調整は変わりません。
すべてのビブラート・スキャナの問題が下に記述された模樹石(dendrite build-up)のためだとは限りません。そのため、ビブラート・スキャナを速く引っ張るのはやめてください。 (10)
バイブレータ・タブをオンにして、トレブルは強調されるが、音の振動がない場合、単にスキャナが回転していない可能性があります。スキャナは、付着物のたい積によって張り付いてしまうことがあります。もちろんこの場合には、使用できません。後部スキャナ・カバーをはずし、中に手を入れて、以下で説明する方法で回すことができます。
オルガンの電源を切り、後部スキャナ・カバー(これはオルガンの後部から見て、TGアセンブリーの一番左の端にあります)の2本のねじをはずします。注意して後部カバーを滑らせながらはずし、内側を見てください。ビブラートロータの先端が、外に突き出しているのが見えると思います。指一本をいれて触ることができると思います。指で先端を数回、ジェネレータシャフトとは反対の方向に回します。カバーをはずしたままで、スタート・スイッチを押し、ビブラートロータが回転していることを確かめます。オルガンをスタートさせて、ビブラートが効くかを試してみてください。最も難しい部分は、スキャナ・カバーの後部ねじを元に戻すことです。小さな手と小さいドライバーを必要とします。元に戻すには、鏡とプラスチック製のねじ延長ホルダを使用して、ねじを元の位置に戻してください。
問題が解決しない場合には、先を読んでください。完全に壊れてしまっているかを調べなければなりません。
ビブラートにおいて、モーターボーティング(motorboating)や音が途切れる兆候が出ているのであれば、いくつかのスキャナの軸が短くなってしまっている可能性があります。犯人として考えられるのは、結晶の生成です。これは、メッキとメタルで構成されるスキャナのハウジング部分で発生します。(模樹石の構成)これは、電気の伝導性のあるひげやほこりとして、スキャナ本体とスキャナシャフト間に現われます。高い湿度と温度が模樹石の構成を増加させると言われています。過度に油が差されたスキャナはビブラートのモーターボーティング現象を引き起こしますが、それはたぶん模樹石の構成も促進します。油は絶縁体を覆い、固定子をショートさせて、伝導性のほこりおよび砕片を付着させます。
あるハモンドテクニカルブリテンにおいて、この状態を修正する方法が詳述されています。以下の記述は、その要約です。 (11)
スキャナが悪いと判断する前に、右端の6AU6がちゃんと動作しているか確認してください。別のものと交換して確認してさい。それでもまだ問題があれば、V2上のプレートとスクリーンの電圧をそれぞれ測定してください。プレートは130V DC、スクリーンは60V DCになっているはずです。プラス・マイナス15%以内であればOKです。それでもまだ問題があれば、以下に進んで下さい。
ジェネレーターのカップリングから2つのスプリングをはずします。 | |
モータの角にある4個の5/16インチのナットと止め座金をはずします。 | |
ビブラート・スイッチに行く黒い7本のワイヤーと、ビブラート・ライン・ボックスに行くの赤いワイヤーおよび青いワイヤーの半田をはずしてください。 | |
注意して、モータ/スキャナのアセンブリーを左に動かし、コンソールの後部の方へねじって移動してください。 | |
長方形の油槽からスプリング・クリップを取りはずしてください。油芯を上げて、油芯を巻き戻してください。 | |
スキャナからモータに付いている三つのねじをはずし、モータからスキャナを分離してください。 | |
スキャナから後部カバーを取りはずして、ワイヤーの半田をはずしてください。2本のブラシが接しているピンを曲げないように注意してください。ブラシの端を上げてスライドさせ、他をはずしてください。 | |
組み立てるときのために、赤いワイヤーがついていた側をスキャナ上にマークをしておいてください。 | |
スキャナの周りにあるねじを取りはずして、カバーをはずしてください。固定子が見えるはずです。★裏のピンに注意してください。 | |
外側から16個すべてのねじ、止め座金、平座金、丸い絶縁体を取り外し、内部から固定子、正方形の絶縁体を取り外してください。 | |
取り外したものをすべて、変性アルコール(denatured alcohol)に一晩浸しておいてください。(オリジナルのブリテンでは、ガソリンに浸しておいてくださいと書かれていますが・・・) | |
アルコールとScotch Briteパッドでスキャナ本体をきれいにしてください。 | |
きれいになったスキャナと乾いた絶縁体にKrylon clearをスプレーしてください。徹底的に乾くまで待ってください。★ピンに注意してください。 | |
ロータが自由に回ることを確かめてください。オイル用のスレッドがなくなっていたり、壊れていれば、取り替えるかつなぎ合わせてください。 | |
スキャナを組み立て、元の位置に組み込んでください。これは、上記の手順を逆に行ってください。元の位置を覚えているはずですから簡単だと思います。ピンは曲げていませんよね? | |
ブラシを交換する場合には、スプリングが半田で接合されている真鍮の部分の曲がり具合を良く見てください。一番下のものからはじめてください。 | |
ところで、オルガンの金属製のパーツに付く模樹石は、ビブラート及びパーカッションなどにも問題を起こすことが知られています。 |
もし音が引っかかる(がりがりする)、断続的になる、バスバー・シフト手順で効き目がないようであれば、マニュアルに潤滑油が必要です。この仕事は専門の技術者に任せたほうがよさそうです。なぜなら、力を入れすぎて、いとも簡単にどこかにダメージを与えてしまうためです。 (12)
まず最初に十分注意してください。この手順を間違って行うと、キーボードに致命的なダメージを与えることになります。時間をかけて、次の指示にしたがってください。
マニュアル・シャーシ(キーボード)は非常に重いです。力持ちでなければ、取り外しと元に戻す時は、二人で行ってください。すべての用品とサービスマニュアルを手近におきます。
以下の用品が必要ですので用意してください。
モデルに対応したサービス・マニュアルを参照して、マニュアル・シャーシを取りはずしてください。ダンボールや新聞を何枚も重ねたもので、オルガンのチーク部分を保護するのを忘れないで下さい。
プリセット側が上になるようにして、マニュアルを立てておいてください。 | |
両方のキーボードから小さな長方形のプレートを取り除いて、ドローバーのベースに通っている大きなねじをはずしてください。バスバーを保持する装置が見えると思います。2本のねじを緩めて、ロッドを取り外せるように支持部分を後ろに動かしてください。 | |
ブックマッチをチークブロックとキャンセルキーの間にはさんでください。これを行うことによって、接触部分を打ち付けたり、バスバーの逆側にロッドを間違って入れてしまうのを防ぎます。 | |
上か底のいずれかから、ロッドを1本だけ、はずしてください。NEVR-DULの塊で、ロッドを数回拭いてください。ひどく汚れているのにびっくりすると思います。拭いているときに、綿がくっついたり、ちぎれてしまった場合には、スポット溶接間のパラジウム・ワイヤーに、なくなったり、ちぎれたものがついていないか詳しく調べてください。もしロッドが破損している場合、交換してください。(再び、オルガンサービス社。)オルガンが円形の金めっきを施したロッドを持っている場合、これは問題の原因にはなりません。その場合には、ただクリーンで明るく光っていることを確かめてください。 | |
さて、アルコールパッドで、ロッドを数回拭きます。一本のロッドに一つのパッドを使用して、ロッドを乾かしてから、ロッドにバスバー潤滑油を薄いまくを作るようにして、塗ります。今が楽しい時間です。ロッドを曲げないように、もともと入っていた場所に戻します。警告:もし何らかの抵抗感があったら、すぐに止めてください。ロッドを取り出し、曲がっていないか検査してください。ロッドが中に容易に入るまで、とにかく頑張ってください。正方形のロッドを備えた後期のユニットにおいては、ロッドを挿入する時に、ロッドをわずかに弓形にすると入りやすいことがあります。キャンセルキーが下がっていることを確かめてください。ロッドに無理に力をかけてはいけません。後期のコンソールにおいては、追加ロッド用の穴があります。元来使用されていたのと同じ穴にロッドを入れてください。 | |
18本のロッドについて同じことを繰り返し、リテイナーを元の位置に戻します。カバー・プレートを元に戻して、キーボードも元に戻します。ペダル・スイッチも潤滑油が必要かもしれません。手順は類似しています。 | |
この情報を公開して欲しくなかった技術者の皆さん、先に謝っておきます。 | |
ロッドに無理な力を加えないこと。そして幸運を!すべての音がちゃんと出ることを祈っています。 |
パーカッションが有効になっている場合、各キーの倍音バスバー接点の一つは、パーカッションアンプを起動するのに使用されます。このことによって、音を作るパレットから、一つのドローバーの倍音を除いてしまいます。在庫時のセット・アップは第9のドローバーをこのために使用する設定となっています。プレイヤーによっては、パーカッションが有効な時でさえ、一番上のドローバの音が必要な人がいます。パーカッション回路へのこの変更は、第9のハーモニックバスバーからパーカッションアンプのトリガーを別のドローバに変更します。第8のドローバに変更するのが普通です。
下記手順は、B-3、C-3およびA-100について有効です。参考のためのオルガンの設計図と配線図のコピーが恐らく必要でしょう。
注意:ドローバーの半田付けについては、すべてアッパマニュアルの“B”プリセットについて記述しています。このプリセットは、演奏者から見て左から二つ目のドローバセットです。
下記の事項を確認します:
色 | 接続先 |
---|---|
茶(BN) | 第一ドローバ |
赤(RD) | 第二ドローバ |
橙(OR) | 第三ドローバ |
黄(YL) | レジスタパネル(第二ハーモニック) |
緑(GN) | レジスタパネル(第三ハーモニック) |
青(BL) | 第六ドローバ |
紫(VI) | 第七ドローバ |
灰(GY) | 第八ドローバ |
白(WH) | レジスタパネル(パーカッショントリガワイヤ) |
レジスタパネル上の類似した色の他のワイヤー(プリセットバンドルから来ている)は、パーカッションスイッチアセンブリーから来ています。
手順:
パーカッションゲートは、プリアンプの“K”端子をグランド接地することでトリガがかかります。接地は、パーカッションスイッチを通って、第一のバスバー(白いワイヤ)から、この端子に着ます。私たちの古い友達である金属の移動は、ほとんど常にパーカッションに関する問題の原因です。これは、プリアンプのK端子(青いワイヤ)と選択されたBプリセット間の電圧をパーカッションをONにした状態で計測することで簡単に確かめられます。どのキーも押下されていない状態で、+側に25〜30ボルトであれば正常です。どれかのキーが押下されると、0Vになります。電圧が非常に低いか0の場合には、スイッチに問題があります。清掃は適切な修理方法です。
Bプリセットを選択してください。そして、パーカッションをON、NORMAL、SLOW、SECONDにしてください。 | |
どのキーも押さない状態で、K端子の電圧を測ってください。25〜30ボルトを示すはずです。 | |
こんどは、アッパマニュアルのどれかのキーを押下して、測ってください。0Vを示すはずです。キーを押下していない状態で、K端子にほとんど電圧がない場合には、青いワイヤーの半田をはがして、電圧を再び測定してください。今回、25〜30ボルトを持っていれば、パーカッションスイッチのクリーニングが必要です。 | |
ミュージックラックをはずし、ドローバベースを支えている二つの大きなねじと、二つの木製ねじをはずし、雑誌などの厚い紙を引っかき傷ができないように、どちらかの端に置き、ドローバベースを4〜5インチあげます。 | |
パーカッションスイッチ・カバーから2本のねじをはずし、カバーを取り外してください。 | |
パーカッションスイッチのハウジングの内部と接点に残留しないクリーナをスプレーし、作動するかどうか確かめるために再テストしてください。 |
接点の約半分だけがスイッチの後ろ側から接するようになっています。そうなっているかを確かめるためには、スイッチ全体を分解する必要があるかもしれません。これは心臓の弱い人の仕事ではありません。多くの汚い言葉が再アセンブリー中に発せられました。不快な気持ちを忘れるために、多くのD.C.が必要だと助言してくれる人もいるかもしれません。多くのコンポーネントへ重大なダメージを与える可能性のあるこの手順を私は、勧めません。
ハモンドB-3ファミリで最もポピュラーなパーカッションスイッチの設定は、4個のスイッチをすべてコンソールの後部の方へロックする方法です。この設定でパーカッションボリュームは、SOFTの位置にします。このスイッチが、コンソールの手前(NORMAL位置)にロックされている場合、パーカッション信号のボリュームは増加し、ドローバーのボリュームが減少します。NORMAL/SOFTスイッチがNORMAL位置にセットされている場合でも、パーカッション信号のボリュームを増加した状態でドローバーボリュームの減少を抑止する簡単な方法があります。
技術情報 (13) -- パーカッションとドローバーボリュームの低下はハモンドメーリング・リスト上で紹介された通り、B-3、C-3、A-100およびRT-3オルガンを含む、多くのオルガンが本来持っている特性です。これらのモデルにおいて、音量の低下を解決するためには、オルガンの上部の右側にマウントされた円形の金属で覆われたマッチング変圧器のアセンブリにジャンパを設定する必要があります。
カバーを止めている2本のねじをはずすと、マッチング変圧器の左側にマウントされたいくつかの抵抗が見えると思います。ジャンパーを設定するのは、左の一番下の抵抗です。最初にクリップ・ジャンパーを使用してテストしてください。 | |
まず、変更を加える前にこれが何を行うか必ず理解してください! 通常は、パーカッションタブがSOFTからNORMALにロックされる場合、パーカッションボリュームは増加します。しかし...ドローバー(オルガンの)ボリュームが、実質的に減少します。 | |
はんだ付けする前に、ジャンパーの変更によってどう変わるのかをテストしてください。パーカッションをONにして、左から四つ目までのドローバを8の位置に引き出します。和音を弾いてください。パーカッションが減衰することを確認してください。そして、コードを弾いた状態で、パーカッションボリュームタブ(オルガンのボリュームではありません。)をSOFTからNORMALの位置にロックしてください。ドローバーボリュームが減少することを確認してください! これはこの種のタイプのすべてのオルガンにおいて正常な動作ですが、プロフェッショナルの演奏家にとっては、深刻な欠点とされています。ほとんどのプレーヤは、この理由のために、パーカッションタブを四つとも上に上げるか、四つのタブはすべて、オルガンの後方へロックしています。オルガンの音量の減少を抑えるというこの修正によって、オルガン奏者のパーカッションの使い方を完全に変更することができます。 | |
オリジナルのパーカッションの動きを理解したところで、今度は、左の一番下の抵抗にジャンバを設定して試してみてください。パーカッションをSOFTにして和音を弾いて、パーカッションの減衰を確認し、和音を弾いたままでパーカッションタブをNORMALに設定してみてください。パーカッションタブをSOFTからNORMALに変更しても、ドローバボリュームは減衰しないことに気づくと思います。 | |
パーカッションを、修正する方法はほかにもあります。しかし、これがパーカッションボリュームを増加しても豊かなオルガンサウンドを得るための最も簡単な方法であり、スイッチ本来のSOFTの機能を保持する方法です。 |
発明者であるドン、レズリー(Don Leslie)にちなんで命名されたレズリー回転スピーカは、ハイファイのスピーカーではなく、音質を変更する装置という位置付けで設計されました。レズリースピーカとは別の装置(通常はハモンドオルガンですが)を組み合わせて使用することによって、楽器となります。レズリーは、「指向性のある音源が固定軸のまわりを一定(あるいは可変)の速度で回転する。」という単純な原理で動作します。ある程度離れたリスニングポイントにおける効果は、良く知られています。音響上影響を受ける範囲におけるレズリースピーカの特性は、せいぜいちょっと複雑な定理を使用すれば説明できてしまいます。しかし、少なくとも四つの効果が現れます。音の振幅変調、周波数変調、音色変化および明らかな音の動きです。
音源に対して角度があるため、リスナー(あるいはマイクロフォン)への音の大きさは、回転する音源との角度に依存します。音源が回転するにしたがって、音の大きさが変わり、回転速度に応じて音の周期的な変調を認知することができます。これは音の振幅変調(AM)用のコンポーネントです。リスニングポジション(マイクロフォンの位置を含む)が音源に対して近い場合、一般に音の振幅変調は増加します。
音源が回転する場合は、周期的にリスナーの位置に近づく遠ざかるという動作がさらに加わります。これによって、音源に対してドップラーが生まれ、周波数変調(FM)を音源に与えます。ドップラー効果としてピッチのシフトが発生します。つまり、音源が近づいてくる時にはピッチが上がり、音源が遠ざかっていく時にはピッチが下がります。
回転の方向パターンは、周波数に依存します。低い周波数よりも高い周波数のほうがより効果が現れ、全方向に放射されます。音色の変化は、音源との角度の変化として感じることができます。一般にリスナーに向いている時に、高音が最も大きく聞こえ、反対方向を向いている時に最も小さく聞こえます。
そして、リスニングエリアの反響と音源の回転によって、音は複数の場所から聞こえるため、音が動いているように感じられるのです。
レズリーラウドスピーカカンパニ(The Leslie Loudspeakers company)は、構成の異なる多くのスピーカを生産しました。これらのモデルは、リバーブ、二つのキャビネット、真空管またはソリッドステートアンプなどで構成されました。最もポピュラーなレズリースピーカは、おそらくモデル122でしょう。モデル122、142、145および147は、それぞれ類似した構成となっています。40ワットのモノのアンプは、15インチのウーハと3/4インチのジャンセンコンプレッションドライバ(throat diameter Jensen compression driver)をドライブします。それぞれは、パッシブ型の800Hzクロスオーバにつながれています。固定型のコンプレッションドライバが、上の回転ホーンアセンブリにつながれ、固定型のウーハが下の回転するドラム型のリフレクタにつながれます。二つの回転アセンブリは、AC誘導型のモータとベルトによって機械的に駆動されます。一般に、FASTとSLOWの二種類の速度が選択できます。
通常のキャビネットは三つのコンパートメント(区切られた空間)を持っています。上部のコンパートメントは、高音用の回転ホーンアセンブリーを収容します。中間のコンパートメントは、ウーファー用のバスレフ型のエンクロージャとして、クロスオーバ、高音・低音用の両方のドライバー、高音・低音用の両方の回転アセンブリー用モータを収納しています。下部のコンパートメントは、アンプおよび回転ドラムを収容します。ルーバーは、上部と下部の三方向の側面に用意されています。
この構成のスピーカには、二つのサイズがありました。122と147は、高さ41インチ、奥行き20.5インチ、幅29インチであり、142および145が8インチ低いものでした。122と142は、平衡型の入力を備えており、147と145は不平衡の入力を備えていました。背の高いキャビネットは、よりよい低音レスポンスを持っていると言われています。
トレブルロータは、レズリーの音の特性を第一に決定するものです。何人かのオルガン奏者は、低音用のドラムの加速度を低くすると、音を損ね、ドラムを回転しているモータへの電源を切断していると考えました。
コンプレッションドライバは、ホーンの推進ベアリングとして動作する垂直の管に向かって音を鳴らします。ホーンは、黒いベークライトで成型された一対の円錐形をしたデバイスです。ホーンは、根元が垂直に立ち、水平に広がっています。ホーンは、AC誘導モータによって、二つのスピードでベルト駆動されます。モータは、二つあり、それぞれ、低速用と高速用です。ドライブプーリの直径は3種類あり、回転スピードを変更するために使用されます。遊びプーリは、ベルトの張りを維持するために使用されています。トレブルホーンは、二つの円錐に見えますが、実際に動作しているのは一つだけです。もう一本は栓がされ、ベアリングの負荷を軽減し、ゆれを抑え、バランスをとるために存在しています。
円錐形のデフューザは、ホーンの口の部分に付けられています。デフューザは、トレブルホーンアセンブリの音を決定する上で、重要な役割を果たしています。デフューザによってホーンの音の分散パターンは、きわめて単一の方向性を持ったパターンから、全方向性のパターンになります。これにより、ドップラー効果のパターンが複雑になり、キャビネット内部での反射の影響もあり、特有の音を提供するようになります。
分散パターンの変更に加えて、デフューザには別の機能があります。もしデフューザがないと、回転部分の中心から実際の音源の距離は周波数に反比例します。すなわち、周波数が上がるとともに、音の放射ポイントはホーンから、のどの部分に戻ってしまいます。この影響は、周波数が上昇すると、ドップラー効果は少なくなり、したがって、周波数変調の効果が少なくなります。デフューザがあれば、すべての周波数の放射ポイントは、ホーンの回転半径に接近します。デフューザを付けて高い周波数変調を得る代わりに、デフューザをとった時に得られる高い振幅変調(ホーンの片方からしか音を出していないために特に高い周波数において)を犠牲にしています。デフューザを取り去ってしまうのが、よく行われている改造です。ホーンのスペアパーツは、デフューザありのものも、なしのものを購入することができます。
下部のコンパートメントは、ウーハの下に木製の回転ドラムを収容しています。ドラムの上部には穴が空いていて、側面は平らです。ひしゃく(a scoop)の部分は、上部とドラムの背面は垂直で、底の部分とドラムの正面では水平になっています。シャフトは、ドラムの回転軸に対して通っています。シャフトは、ドラムの下のキャビネットの底にマウントされた下部のベアリングによって支えられています。上部のベアリングは、15インチウーハのクロスメンバに取り付けられています。プーリは、ドラムとウーハ間のシャフトの上端に取り付けられています。
バスロータの主な効果は、もともとの信号に対して振幅変調を行うことです。クロスオーバー・ポイントの800ヘルツ近辺では若干生じるかもしれませんが、200ヘルツより下の周波数においては、その波長のためにフェーズシフトはほとんど起こりません。結果として、SLOWかコラール(chorale)で使用された場合に、非常に有効な低音の鼓動というか振動を得ることができます。
典型的なユニットは上に記述されたコンポーネントをドライブする40ワットのモノの真空管アンプで、12dB、800ヘルツ、16オームのクロスオーバーを通して使用されます。アンプは最終段で二つの6550を使用します。ロータをドライブするモータは、実際には二つのモータを使用しています。したがって、四つのモータが存在し、それぞれのモータは、アンプシャーシにつながる2本のケーブルに接続されています。
下部左側の黒いプラスティックブロックをはずし、木で同じモノを作ります。木は最低でも7/8インチの厚さで、古いブロックにあうように黒く塗ります。子孫やレストアのために、オリジナルのプラスティックブロックは、保存しておきます。
ちゃんとした金物屋か照明器具の販売店に行き、黒いレビトン(Leviton)のデコラ(decora)モデルの照明用のスイッチを一つ購入します。これは、ひっくり返すタイプではなく、押すタイプの幅広のトグルスイッチです。さらに、スイッチに似合う黒いプラスチックのスイッチカバーも購入してください。購入に要する費用は4.50ドルくらいです。スイッチカバートはブロックとまったく同じ幅なので、実用上も問題ありません。
木のブロックにスイッチをマウントするのに十分な穴をあけます。注意:スイッチとスイッチカバーは、ブロックの中央に配置しますが、穴はワイヤーの出っ張りの裏面にうまく合うように、右側にずらします。そして、されに重要なのは、ローワマニュアルに接する部分を避けることです。幸いにも、ハモンドは、取付け用のねじを左にオフセットしています。あなたの好みに合わせて最も目立たないところにワイヤーを通してください。しかし、恐らく、どこかに穴を空けなければならないでしょう。
完成すれば、オルガンの一部のように見えます。古い半月型の時は打ちつけなければならなかったのに、これを使えばピシャッとスイッチを切り替えることができます。
ブロックを裏側からねじで固定するために、マニュアルのボルトをはずし、マニュアルを傾けなければなりません。これは大手術のように聞こえますが、Bob Schleicherの以下の寄稿を読んでください。注意:スイッチを上部の左側のブロックに取り付けたい場合のインストラクションも、あります。
アッパーブロックの取外し:
楽譜立てをはずします。(それぞれの端に2本、合計4本のねじで止まっています。)ドローバーベースを支えている2本のボルトを取り外します。 アッパーマニュアルを注意して持ち上げ、ブロックから2本のねじを取りはずしてください。
ローワブロックの取外し:
上と同様に楽譜立てをはずします。ジェネレーターシェルフの下側から4本のマニュアルのボルトをすべて取り外してください。前面のレールとローワキーボードの間のサポートブラケットを取り外してください。両方のマニュアルを上げて、ローワチークブロックからボルトを取り外してください。
レズリーにおいても、他のものがそうであるように、改造することができます。何人かの人々がそう主張します。一方、他の人々は、標準のレズリーでなければ何も良いことはないと主張します。レズリーの改造(そしてハモンドもこの件に関しては同様です。)、ハモンドフリークの間で憤りや怒りを巻き起こす潜在的な課題です。それにもかかわらず、ここでは、レズリーの音を改造又は回復するためにできることを紹介します。
新品のウーファーを手に入れたいのならば、JensenのP15かC15を手に入れるのにそれほど苦労しないでしょう。しかしながら、新品の在庫のV−21トレブルドライバは別問題です。これは、壊れやすいことで悪評高く、そうとう長い間生産されていないため、コンディションの良いものを見つけるのは難しくなってきています。新品のドライバーにかなり近いと言われているのが、現在売られている新型のレズリーのドライバーです。この16オームのドライバは、60ワットであり、Atlasによって生産されています。昔のV−21と比べると少しだけ明るい音がします。これを使用するためには、新しいスピンドルプレートを使用するか、古いスピンドルプレートに簡単な改造が必要です。15オームの誘導でない10ワットの抵抗を、アトラスの2本のドライバリードに渡すことによって、Jensen V-21に非常に似てくると言われています。
もし、標準品以外のトレブルドライバを使うのであれば、アトラスのモデルPD-60とUniversity SoundモデルのEV1829は、16オーム版としては良いと言われています。標準のユニットを交換するために通常使用されるコンプレッションドライバーは、直径1インチの管であり、スレデッド(threaded)又はボルトでマウントされます。これらを、トレブルホーンアセンブリーと使用するためにはアダプタが必要です。
トレブルドライバに関して、ハモンドによって生成される最も高い周波数は約6KHzです。典型的なPAで使用されるトレブルドライバは、15KHz又はそれ以上まで使用可能です。例外的な高周波数のレスポンスを備えたトレブルドライバーは、適切な量のキー・クリックを再生するためには必要ありません。また、これらのドライバーは、この点に関して望ましくないかもしれません。それは実際には、個人の趣味の問題です。
レズリースピーカーの音をどのように録音していますか? 何本のマイクロホンを使用していますか? また、どこにマイクロフォンを設置していますか? 人それぞれ、好みの手法があるようです。それぞれの人たちの使用方法がどのくらい違うのかを示すために、"レズリーキャビネットのミステリーの発見"(" Unearthing the Mysteries of the Leslie Cabinet, " )と題されたClifford A. Henricksenの抜粋があります。
何においても、レズリーの録音は、趣味と目的の問題です。レクリエーションとして、生のハモンドB3/レズリーの組合せで最良のレコーディングをしたいと思うかもしれません。さらに、それを「よりよく」したいと思うかもしれません。エコー・ユニットのように、送り側と受け側というように使いたいと思うかもしれません。つまり、レズリーアンプに送り、モノ又はステレオのマイクロフォンで受けるというように。また、スタジオや残響室(又は風呂場)に持ち込み、それをミックス中やライブで使用したいと思うかもしれません。可能性は創造性と狂気のレベルによってのみ制限されます。以下は、いくつかの標準的なテクニックと動作の説明です。
Mono Recordings.
(モノレコーディング)私は、レズリーの録音を、一つのマイクをトレブルホーンから1フィートに近づけ、非常に良好な結果を得ました。もし、さらに近く(数インチ)にマイクが設置されると、猛烈な振幅変調効果が発生し、うるさくなってしまいます。高回転時のロータの風切り音も発生し、部屋の中にヘリコプタがあるようになってしまいます。どちらの音がお望みですか?同じことは、バスロータでも発生します。マイクを近づけすぎると、機械的な雑音が多くなってしまいます。緩んだスピーカネットは、本当に耳障りです。しっかり張ってください。両方のロータからの音は、ルーバを通すとメローになります。レズリーの後部パネルを外して、後部からマイクで録音すると、音はダイレクトになり、くっきりします。Stereo And Multi-Mike Recording
(ステレオや複数のマイクを使用した録音) キャビネットの上部と下部にそれぞれ二つのマイクを使用する方法は、よい音を得る非常に有効な方法です。なお、マイクを近づけることによって発生する振幅変調を、心にとめておいてください。しかしながら、私が知っている最良のレズリーの録音方法はステレオ録音です。左右のチャネルは、上部と下部を複数(4本)のマイクでカバーするか、左と右をそれぞれ一本のマイクでカバーする方法のどちらでも可能です。4本のマイクを使用して、それぞれのマイクのパンを最も左と右に振り分けたステレオ録音は、非常に刺激的です。多くの組合せが可能ですが、ポイントは、レズリーが空間的な情報を提供することができるという点です。
そのような録音技術に詳しい数人のエンジニアと話し、彼らの好みの方法をいくつか、ここで紹介します。
Jay Mark (Sigma sound, New York)
ジェイ・マーク(シグマサウンド、ニューヨーク)は、オルガンの録音をするときに、レズリーサウンドの「タイト」または「ダイレクト」なところが気に入っているそうです。この理由は、オルガンは、バックグラウンドであり、前面に出る使い方はしないということに起因しています。タイトなサウンドは、たとえ、ミックスダウンにおいても、オルガンサウンドをクリアなものにし、明白なものにするために必要です。ジェイは、次のセットアップで好結果を得ています。RCA 77DX リボンを上部ロータキャビネットの後ろに(約8インチ、トレブルホーンから離して)設置します。ハイエンドのロールオフを合わせます。(with the high-end rolled of to suit)また、下部のロータの後ろ側に、低いロールオフ(with the lows rolled off)でU87を設置し、トップのマイクとミキシングします。彼は、トップとボトムの音を左右にふる実験をしましたが、結果は好きではなかったようです。Allen Sides (Ocean Way Recording, Hollywood)
アレン サイズ(オーシャンウェイレコーディング ハリウッド)は、U67を二本使い、レズリーから5フィート離して設置します。それぞれのマイクは、10フィート離して設置し、トップとボトムロータの両方をカバーする位置に置きます。マイクは、左右にパンされ、二つの別のトラックに録音します。アレンは、高音域の歪みを強調しないために、ハイエンドにおいて自然なロールオフが好みです。彼は、ビリー・プレストンの録音のことを話してくれました。彼は、フェンダーローズを演奏したのですが、ステレオビブラートを使用し、それぞれのチャネルを二つのレズリーに送り、音を出しました。
Joe McSorely (Veritable Recording, Ardmore, Pennsylvania)
ジョーマクソリー(バリタブルレコーディング、アードモア、ペンシルベニア)は、2本のU87を、トップとボトムのキャビネットに対して相対的に近い位置に置くのが好きでした。「タイト」なオルガンサウンドのために、下部ロータから音は低音をロール(rolls of the lows)しますが、上部はフラットのままです。ジョーは、何回もおきた問題として、マイクが近すぎればウィンドノイズが増すので、常にウィンドスクリーンを使っていたと言っています。彼は次のように言っています。バリタブルにおいて、ほとんどのオルガン(レズリー)の録音は、1トラックだけで行われました。しかし、そのトラックを片方にパンし、ダブリングモードでハーモナイザを使用し、その音を次のトラックに入れ、反対方向にパンします。このようにして、偉大な「偽物のステレオ」ミックスダウン効果を得た訳です。ジョーは結果として得られた音を「奇怪な」音と評しています。
ハモンド・スズキのトム ツーソン(Tom Tuson)は、「約一年に一度、一滴で十分」と言っています。一滴のオイルは、長い、長い、長い、長い道のりを行きます。3イン1タイプを使用しないで下さい。ハモンドに電話して、われわれのレズリー用のオイルを注文してください。金物屋やミシン店では、これほど軽いオイルは買えません。
初期のモデルのレズリーは、FASTスピードのモータしか実装されていませんでした。この場合は、トレモロにするかオフにするしか選択肢はありません。1スピードのレズリーを手に入れた人たちが最初にする質問は、トレモロとコラールスピードの両方を出せるように改造することができるかというものです。電子速度コントロールを使用するか、モータの修正あるいは置換えを行うことによって改造することができます。
最も単純、また、恐らく、最も安価な方法は、この目的のために設計された電子速度コントロールを使用することです。既存のモータと電源ラインの間に設置する後付けのキットがあります。そのような装置では、8サイクルから1又は2のサイクルだけを取り出して、ホーンとドラムロータに供給します。これらの装置は少なくとも、Goff ProfessionalとKeyboard Engineering, Inc.という2つのサプライヤーから入手可能です。(サプライヤー・リストを参照)。
単一速度のモータは、コラール・モータと関連するハードウェアの追加で2スピードに改造することができます。CAEサウンド(サプライヤー・リストを参照)は、この改造を行っています。
最後にモータは2デュアルモータ型のアセンプリに交換することができます。しかし、キャビネットについても、モータを別な位置に取り付ける必要があるために、修正する必要があります。冒険的なことをしたい人のために、ステップバイステップで、これを行う方法を紹介します。 (15)
以下は、21Hを2スピードに変換する方法です。他のモデルは、方法がわずかに異なるかもしれませんが、基本的なアイデアは同じです。そのためには、2インチの穴をあけるのこぎりと、ドリル、ルーター、20分の時間が必要です。これらの技術を持っていないか、電動工具の適切な使用方法がわからない場合には行わないで下さい。
レズリーの正面を下にして寝かします。こうすることによって、後の工程がやりやすくなります。まず、アンプを最初に取外します。
1.)
木製のハウジングおよびボルトを含む上部のモータアセンブリーを取り外します。2.)
ボルトを元の場所に締めるか、短いものに交換します。3.)
同じ位置に新しい上部モータをつるします。レズリーの内部モジュールからモータを廃物利用するのであれば、2つのモータのプーリとブラケットを交換してください。4.)
オプションです。1/4インチ合板で、大きなモータのための新しい箱を作ります。これには、長いボルトか、織った棒(threaded rod)とナットが必要です。私は、レズリーのパフォーマンスの低下を感じなかったために、これをスキップしました。これは、人や状況によって変わります。ボブ・シュライヒャー(Bob Schleicher)はこのステップに賛成していません。次のように言っています。
私はこれが、オプションとは考えていません。むしろ必要だと思っています。エンクロンジャーに対して適合しない大きな穴をあけようとしているわけであり、さらにホーンによって、いくらかモジュレーションされる低い周波数を上部のコンパートメントに与えようとしているわけですから。
5.)
レズリーをそのまま寝かしたままで、ローワーモータを取り外します。6.)
ベルトとプーリの溝を確認してください。プーリが配置される部分の中心に小さな穴をドリルであけてください。この穴がステップ7の開始点になります。7.)
2インチの穴をあけるための、のこぎりを使用して、シェルフのトップから溝の中に穴をあけてください。もしあなたが正しい場所に下穴をあけていれば、約3/8インチほどドリルで穴をあけるだけですむはずです。8.)
標準のレズリーから2スピードのモータを持ってきて使う予定であれば、ステップ10に進んでください。内部レズリーモジュールから廃物利用したモータを使用するのであれば、ステップ9に行ってください。9.)
レズリーモジュールのシャフトは少し短いです。つまり、ベルトが溝の上部に少しこすれてしまいます。長さ1/4インチの1/4インチ用のスペーサーを金物屋で入手してください。もうひとつ、1/4インチの長いねじも入手してください。2スピードモータからプーリを取り外して、シャフトとプーリの間にスペーサを入れて、1スピードモータにそのプーリを取り付けてください。ボブ・シュライヒャーが付け加えます。
そのプーリは異なるパーツ番号です。それは、この理由によって長くなっています。モータシャフトの長さは同じだからです。
10.)
クリアランスの問題のために、ローワ側の2スピードモータは、標準の122/147の取り付け位置に対して、180度回転して取り付けなければなりません。言いかえれば、キャビネットの内部に向かって張力の調節が必要です。11.)
ローワロータシェルフのトップからモータを取り付けます。モータを適切な場所に取り付け、ベルトを取り付け、手でロータを回して干渉をチェックしてください。必要があれば、モータの位置を変えてください。正確な取り付け位置がを見つかっていれば、ねじ穴をマークして、モータを外してください。12.)
外側のねじについては、穴をあけて、ねじおよびTナットを取り付けてください。13.) .)
内側の穴については、溝から1/4インチ、板に1・1/2インチの長さで、弧の形がモータの動作部分と合うようにします。溝にマークするためには、ベルトなしで、モータを外部のねじに一時的にマウントして、内部のねじ穴に鉛筆を入れてください。そして、弧を描くようにモータを移動してください。モータを取り外してください。14.) 1/2
インチのルータビットを使用して、いまカットした部分に沿って溝をカットしてください。これによって、ナットとワッシャーを落として入れることができるようになります。こうすることによって、バッフルに対して、モータ取り付けプレートをフィットさせることができます。15.)
モータを取り付け、張力を調節してください。2スピードのオペレーションを可能にするアンプへの修正として、資格のある専門家に意見を求めてください。
これについてボブ・シュライヒャーがもう一言付け加えます。
これは木工細工よりはるかに容易です。1スピードレズリーにおいては、リレーが120Vをモータに供給します。そして、内部ブレーキを持っています。また、あるモデル(21H、後期の31H、44W、46W)では、オプションでプラグインブレーキを持っています。必要なのは、リレーの配線を変更することです。リレーが働いていないときには120Vが一番左のソケットに供給されるようにし、リレーが働いているときには120Vが一番右のソケットに供給されるようにします。モータのリード線は、平行して走っていて二つのソケットにつながれているか、そうでなければソケットにキューブタップ(cube tap)を設置して別のプラグを使うことができます。
ジョン・フィッシャー(John Fisher)がPRO-3を開発するとき、147を測定しました。トップロータはトレモロでは400RPM、コラールでは48RPMの回転数であることが分かりました。測定値は、ベルトのプーリは中央の位置にあり、ベルトのテンションは正常な状態での値です。ローワドラムは、トレモロでは約342RPM、コラールでは40RPMで回転しました。
ハモンドとレズリーのモデルの一覧は、ベヴィス・ピーター(Bevis Peters )によって維持されており、http://www.phys.ucl.ac.uk/~bp/hammonds/models.htmlにあります。
http://theatreorgans.com/hammond/faq/models.html
ブラウザにフレーム機能が必要です。)Hammond Models - (
フレーム機能は必要ありません。)Leslie Models - (
フレーム機能は必要ありません。)これは、最もよく質問される内容の一つですが、不幸にも工場での製造年月日の記録がないため、最も難しい質問の一つになっています。しかし、参考になる情報があります。現在、Rick Prevalletによって維持されている、ハモンド年代リスト(
Hammond
Age Determination List, (16)
)は、メーリングリストのメンバたちのによって開始された努力の結果であり、個々のハモンドオルガンとレズリースピーカーの製造時期を推定するために作られました。日付とモデルのシリアル番号に加えて、モデルの歴史を通して変更になった機能及び特徴に基づいて、一般的にハモンドの製造時期を決定するためのガイドラインも提供しています。日付の多くがオルガンの受渡日であり、オルガンはディーラーのショールームに何年も展示されていたことも考えられるため、確実な情報とはなりません。しかし、数年の誤差を伴って生産時期を知ることはできます。
このFAQは、ハモンドメーリング・リスト(Hammond Mailing List)上で交わされたメールとハモンド・レズリーFAQサイト文献集(Hammond-Leslie FAQ Site Bibliography)中の情報を基に編纂されました。多くの寄稿がなされました。少なくとも次の人々が重要な寄稿を行ないました。以下の一覧中に誤りがありましたら、ご連絡ください。
71370.3023@compuserve.com (Tom Tuson) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ap748@freenet.carleton.ca (Mike Sues)
bevis@apg.ph.ucl.ac.uk (Bevis Peters)
| blaumills@healey.com.au (Steve Blau)
| bobs@hopf.dnai.com (Bob Schleicher)
| buzzfret@aol.com (Joe Rut)
| bwahler@tiac.net (Bruce Wahler)
| cspence@nelson.env.gov.bc.ca (Colin Spence)
| dave.amels@sfnet.com (Dave Amels)
| davemcnaly@aol.com (Dave McNally)
| ddillon@cray.com (Dave Dillon)
| gacki@sax.sax.de (Malte Rogacki)
| genpla@flashnet.it (Marco Montaruli)
| goffprof@aol.com (Al Goff)
| groove@tiac.net (Gilles Bacon)
| jjp@mink.mt.att.com (John)
| jmee@silver.ucs.indiana.edu (Jeffery Mee)
| kschliet@execpc.com (Kurt Schlieter)
| longo@zk3.dec.com (Mark Longo)
| pomanti@inforamp.net (Louis Pomanti)
| potomactom@aol.com (Tom Dercola)
| random@well.com (Ben "Jacobs")
| rickp@prevailing-winds.net (Rick Prevallet)
| russ@seismo.demon.co.uk (Russ Evans)
| sablair@pacbel.net (Steve Blair)
| salazz@aol.com (Sal Azz)
| slimtwo@aol.com (Chuck Cordier)
| ted@mosweb.com (Ted Thompson)
| u31385@uic.edu (Allen Sears)
| wfrb@miworld1.miworld.net (Robert May)
| John.Fisher@m.cc.utah.edu (John Fisher) | |
Copyright (C) 2000, Marc A. Mercier...Brian Dodds
が再び主張するまでは・・・このFAQは、情報の引用元が明らかにされている限り、自由に使用、配布することが許されます。ただし、内容について、いかなる保証も行いません。ご自身の責任のもとに、この情報をお使いください。修正、追加、提案は、 Marc A. Mercier に送付してください。