■ はじめに
オルガンが米国を出港したので、後は日本での作業となります。基本的にやらなければならないことははっきりしていて、以下のことをすればOKです。
通関手続きは、個人でやる気はしないので、業者(私の場合は、日通)に依頼することにします。
オルガンの引取りは、個人でも可能ですが、まさか自分で運ぶ気は起きないので、これも業者に依頼することにします。日通は、自宅まで運んでも良い
(もちろん別費用で)と言っていましたが、開梱はできないでしょうし、楽器専門の業者ではないので、別の業者に依頼することにします。
木枠の開梱は、個人でも場所と力(労働という意味での力です)があればできますが、ちょうど出張などがあって、忙しいときだったこともあり、運送と一緒に依頼できる業者を探すことにします。
■ 2003年2月18日
DHL(国際宅配便会社です。)で、通関に必要な書類が到着しました。
到着した書類は、以下です。とりあえず大切に保管しておきます。
- ORIGINAL OCEAN B/L
- COPY OCEAN B/L
- COMMERCIAL INVOICE
これによると、船は、OOCLのHONG
KONGという船だそうです。カルフォルニアを出港するのが、2月14日、東京到着が2月25日予定となっています。11日間で太平洋を横断するんですね。思ったよりずっと速いです。
■ 2003年2月22日
そろそろオルガンがくるので、昇圧トランスを買いに秋葉原へ行きました。行ったお店は、ラジオデパートの地下の野口トランス販売株式会社です。購入したのは、U-300という100Vを115Vに上げるトランスで、300Wの定格のものです。アース付きのトランスもあったのですが、Speakeasy Vintage Musicからはプラグはアースなしだと言われていたので、アースなしにしました。ところが、現物のオルガンのプラグはアース付きでした。(笑)
どちらにしても家のコンセントにアースがないので浮いちゃいますけど。価格は、税込みで3,465円でした。
もちろん、アース付きのコンセントを持っている人は、価格は少し高いですが、アース付を買うのがベストです。
購入したステップアップトランス
■ 2003年2月26日 オルガン到着の連絡
日通からCARGO ARRIVAL NOTICEが郵送されてきました。2月24日に到着したようです。
■ 2003年2月27日
日通に引き取り関係の連絡をしました。当初の予定通り、通関手続きをお願いしました。通関手続きは、早くても2月28日以降ということで、支払いだけ済ませて、3月2日からの1週間の出張から帰ってきたら、引取りの日取りを決めることにしました。なお、通関手続きを含めた見積もりをもらって、振込みで支払いました。
見積りは、以下です。
番号 |
項目 |
金額(円) |
1 |
CFGチャージ |
8,247 |
2 |
D/O FEE |
2,000 |
3 |
輸入通関料 |
11,800 |
4 |
税関検査料(発生時) |
実費 |
5 |
取扱料 |
21,000 |
6 |
関税 |
0 |
7 |
輸入消費税 |
13,500 |
合計 |
|
56,547 |
なお、通関で使うんだと思うのですが、INVOICEに書かれている項目が、それぞれ何なのかと、鍵盤が象牙でできているかなどを質問されました。INVOICEなどの書類はすべてオルガンにも梱包されていたそうで、私が持っている書類を送らずに済みました。良かった!
あと、楽器は、いくら高くても関税は0円です。
■ 2003年2月27日 引取り業者の手配
いくつかのピアノ運送業者をあたってみました。条件は、以下のとおりです。
- 品川区大井町にある日通の倉庫にオルガンを引取りに行ってもらえること。
- 木枠梱包を解いてもらえること。もちろん廃材の処理もしてもらえること。
- 開梱したオルガンを自宅の二階まで運んでもらえること。
条件を全部満たせば、あとは金額が一番安いところということになります。
条件を満たしてくれる業者は、いくつかありましたが、結局金額の安い有限会社
練馬ピアノ梱包に決めました。(注:この業者は、現在は存在しません。) ちなみに、見積り金額は、税抜きで52,000円でした。
■ 2003年3月10日
1週間の出張から帰ってきて、日通に再度連絡しました。通関手続きがどうなっているかと、引取りの日取りを決めるためです。通関自体は、既に終わっていて明後日以降であれば、いつでも引取りOKだそうです。金額も見積り通りで済んだとのことで、1週間の保管料も要らないとのことでした。引取り場所の地図をFAXでもらいました。
■ 2003年3月10日
オルガンの引取り・開梱・搬入をお願いする練馬ピアノに連絡しました。ところが、引越しシーズンでスケジュールが立て込んでおり、すぐには難しいとのこと。結局、日通への引取りが3月13日、自宅への搬入が3月17日となりました。引取り場所の地図をFAXします。
■ 2003年3月17日
ついに、待ちに待ったオルガンが到着しました。ここで、階段から搬入する予定が、狭くてできないとのこと。クラビノーバは、そのまま入ったんですがというと、奥行きがあるので、踊り場で回せないとのこと。結局、クレーンでM-3を吊り上げベランダから搬入となりました。自宅は、ベランダに屋根があって、手すりと屋根のクリアランスが80cmしかなく、M-3でもぎりぎりでした。A-100だったら入らなかったです。
■ 搬入された後に、トーンホイールジェネレータを固定している4本のボルトのワッシャーを逆さにして、ジェネレータを宙吊り状態にしました。そのままだと、モータの振動がキャビネットにもろに伝わり
、STARTモータを回すとガーという音がします。ちなみに宙吊りにするとシュルシュルくらいです。(笑)
トーンホイールを固定してある状態のボルトです。
かなり突き出ています。
ワッシャーのように見える部分を逆さに挿します。
するとこのようになって
ジェネレータを浮かした状態にすることができます。
■ あとは、おまけの写真です。
TrekIIのサイクルコンバータです。
ジェネレータは、とてもきれいでした。
後付のレスリーキットです。
A-100とM-3のサービスマニュアルです。
スピネットですが、なかなかゴージャスでしょう。(笑)
一番手前左のハーフムーンスイッチがMAIN/ECHOスイッチ
その右がレスリーのスピード切り替えスイッチです。
■ 最後にとても気になる動作状態ですが、
ビブラートスキャナー、足鍵盤、ドローバー、パーカッション、レスリースイッチ、MAIN/ECHOスイッチは問題ありませんでした。下鍵盤の黒鍵2本に軽い引っかかりがありますが、弾いているうちに直るようにも思えます。心配した肝心の音ですが問題ありませんでした。真空管のへたりなどもなく、温かいトーンホイールの音がします。 |