|
Hammond New B-3 私設カタログ |
|
|
|
|
|
|
いままでのクローンの常識を打ち破る、「本物のトーンホイールの音」を再現できるオルガンがついに株式会社鈴木楽器製作所から登場しました。その名前もHammond
New B-3となっており、鈴木楽器の自信の程がうかがえます。2002年の米国WINTER NAMM
SHOWでデビューし、センセーションを巻き起こしました。
|
私設カタログについてのご注意 − 初めにお読みください |
Hammond New B-3の発売を記念して、New
B-3の私設カタログを作成しました。本物のカタログに記載されていない部分を補うことを目的としていますが、鈴木楽器製作所が作成したものではありませんので、ご注意ください。
また、内容については十分注意して作成していますが、その内容を保証するものではありません。あくまでも、私見です。ご了承ください。
また、仕様及び外観は製品改良のため予告なく変更される場合があります。
本内容について、紛らわしい表現、誤りなどありましたら、info AT hammond.jpまでお知らせ下さい。
画像、説明の一部は、鈴木楽器製作所作成のカタログ「HAMMOND ORGAN CATALOGUE for
professional」(2006-1A-AS-EL-035-A)、New B-3取扱説明書(00457-40073 V1.0
0209)から引用しています。
|
|
HAMMOND ORGAN CATALOGUE for
professional |
New B-3取扱説明書 |
本カタログは、2002年10月6日に作成しました。
本ページの作成において、開発・製造元の鈴木楽器製作所、開発をサポートされたオルガン奏者の河合代介さんにご協力いただきました。
|
New B-3の特徴 |
■
音源について
今までのクローンは、アナログの分周方式、デジタルのサンプリングやモデリングという手法を用いてトーンホイールの音を作ろうとしていました。しかし、コストの問題などがあり、トーンホイールの音を一つ一つまねるというよりは、
鍵盤をいくつかのレンジに分けて同じような音を出すという手法がとられてきました。その結果、ある程度近い音を出すことはできたのですが、どんな場合でもB-3と同じにすることは技術的に不可能でした。
New
B-3は、この壁を越えるために、新しくデジタルトーンホイールという手法を採用しました。デジタルトーンホイールは、基本的にはサンプリング音源ですが、鍵盤をレンジに分けて音をまねるのではなく、B-3において音の根源として使用されている91個のトーンホイールの音を2秒という長いサンプリングタイムを採用して忠実に再現しました。この91個のデジタルトーンホイールは、B-3と同様に常に発音していて、以下のキーボードの項で説明するアナログ鍵盤によってトーンホイールの音のON/OFFが行われます。
現在はまだ対応されていませんが、サンプリングされた音を変更すれば、好きな年代のB-3を再現することが可能となります。
|
■
鍵盤について
一般的な電子鍵盤楽器は、キーのON/OFFを、内蔵しているCPUがスキャンし、音を出す出さないを制御しています。CPUにとってキースキャンは、たやすい仕事ではありません。他にもやらなければならない仕事が山ほどあるにもかかわらず、いつ押下されるか分からないキーを常に監視しなければなりません。スキャンのタイミングがずれてしまえば、演奏者の意思はダイレクトに伝わりません。
ビンテージのHammondオルガンは、多列接点というアナログの接点を持っていました。これは、一つの鍵盤に9個の接点が付いたもので、それぞれの接点は対応するドローバーの音源をON/OFFする役目を果たしていましたが、これが一度にON/OFFされずに、鍵盤の押し具合によって一つずつ順番にON/OFFされていくという特質を持っていました。つまり鍵盤の押下スピードによってそれぞれのドローバーに対応した音が何m
Sec間隔かで順次鳴っていくというものでした。これは言い変えれば、厳密にはドローバーのサウンドは同時に発音していない、出来ない仕組みであったということでした。もちろん鍵盤を中途半端に押下した場合には、押した分のドローバーの音しか鳴らないのです。このメカニズムを使える演奏者がどのくらいいるかはわかりませんが、これはハモンドの重要な仕様と考えられてきましたし、クリックノイズもこの多列接点から出ていました。
New
B-3では、この多列接点を敢えて再び鍵盤に採用し、デジタルトーンホイールと組み合わせることによって、本物のサウンドを再現しようとしました。多列接点は、メカ部品で部品点数も多いため、コスト高になるのを防ぐ理由で、長い間採用されることはありませんでしたが、この部品の重要性を認識して再び採用することになりました。
もちろん、鍵盤自体は、ビンテージB-3と同じ、スクエアなウォータフォールタイプの鍵盤を採用しています。
オルガンを開発する際に鍵盤の設計から始めることはまれで、コスト的な理由で既にある鍵盤を使うことが多いのですが、マルチコンタクトと鍵盤を金型から作ることが出来た鈴木楽器だからなし得た鍵盤です。
|
■ キャビネットなどについて |
B-3にはないスイッチ類が演奏者から見える部分に配置されていた、XB-3、XB-3Mとは異なり、ビンテージB-3とほぼ同じ外観を再現しました。新しいコントロール類は、鍵盤の下の通常見えない部分に左右に分かれて配置されています。
なお、外観は次のようにビンテージB-3の各年代に採用されていたものを再現しました。 |
|
パーツ |
特徴 |
年代 |
ビブラートノブ |
ギザギザあり |
1962年以降 |
鍵盤部分のロゴ |
小さめ |
1935年〜1966年 |
パイロットランプ |
あり |
1961年以降 |
ドローバー |
フィーと数の刻印あり |
1969年以降 |
|
|
|
|
2002年8月大楽器祭でのデビューの様子
右のレスリーは、122XBです。 |
別の角度から |
|
|
背面 |
カバーの鍵と鍵穴 |
|
|
カバーを閉じた状態 |
カバーの鍵 |
|
|
■
もしかすると最も大きなメリット?
ハモンドB-3は、1955年から1974年にかけて生産されました。つまり、生産中止から30年近くが経過しましたが、ハモンドB-3に対する憧れはいぜん衰えることはありません。しかし、最も古いB-3だと製造されてから既に47年、最も新しいB-3でも27年経っています。ジャズオルガンの本場アメリカでも、完全なB-3は残っていないと言われています。
なお、デッドストック(箱入り)のB-3が、現在でも残っていると言われていますが、完全にコレクター向けのもので、箱から出した瞬間に価値が変わってしまうものです。
古い楽器ですので、オーナーは、ある程度のメンテナンス費を覚悟して使用しています。New
B-3は、2002年に発売された楽器です。通常の使い方であれば、少なくとも数年はメンテナンスを気にする必要はないのではと思われます。 |
|
B-3の機能を再現した部分 |
|
|
|
■
多列接点
ビンテージハモンドが採用していた鍵盤の接点方式です。 |
|
|
|
■
プリセット
音色のプリセットです。プリセットの選択方法は、独特です。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
New B-3で追加された機能 |
|
|
■
フットスイッチ
レスリースピーカの回転スピードなどを変更できます。 |
|
|
|
|
|
■
追加コネクタ
MIDI OUT、LINE INのコネクタが追加されています。 |
|
|
オプション |
|
|
|
|
仕様 |
■
仕様は、鈴木楽器のカタログから引用しています。
|
鍵盤 |
61鍵マルチコンタクト鍵盤2段+25鍵足鍵盤 |
プリセット鍵盤 |
12鍵メカニカルラッチ |
プリセット |
12 |
音源 |
上下鍵盤:96デジタルトーンホイール音源
ペダル鍵盤:VASEII |
キーイング方式 |
9列アナログ・ダイレクトキーイング方式 |
ドローバー |
上鍵盤9列×2、下鍵盤9列×2、足鍵盤2列 |
パーカッション |
ON/OFF、セカンドハーモニック/サードハーモニック、ディケイスロー/ファスト、ノーマル/ソフト |
エフェクト |
ビブラートスウェル、ビブラートグレート、V1、V2、V3、C1、C2、C3、リバーブ |
コントロール |
トーン(バス、トレブル)、オーバドライブ、リバーブ、マスターボリューム |
ディスプレイ |
LCD20文字2行 |
外部スロット |
コンパクトフラッシュカード |
外部端子 |
11Pレスリーコネクタ、MIDI OUT、ラインアウト、ヘッドフォン、レスリースイッチ |
寸法 |
幅123×奥行73×高さ97cm |
重量 |
95Kg |
|
|
|
HAMMOND、LESLIE、ハモンド、レスリーは、(株)鈴木楽器製作所の登録商標です。
許可なしに、各ページの情報の複写又は転載を禁止します。 |
|
COPYRIGHT (C) 2002-2006 TAKAGI-AN. ALL RIGHTS RESERVED.
|