実験結果
実験した結果を以下に示します。基本的なパラメータは、レスリー裏の開口部を演奏者に向けるか向けないか、部屋の角に置くか置かないかです。高域と低域で結果が違いますので、それぞれに表にしています。
高域
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部屋の角に置く |
部屋の角から離して置く |
開口部を聴く人に向ける |
クリアで直接的な音、音量は一番大きい
FAST/SLOWの差は、ぼやける |
ほぼ、同左 |
開口部を壁に向ける |
まろやかな音
FAST/SLOWの差は、はっきり |
まろやかな音
FAST/SLOWの差は、はっきり
一番広がりがある。 |
低域
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部屋の角に置く |
部屋の角から離して置く |
開口部を聴く人に向ける |
音量は小さめ |
ほぼ、同左 |
開口部を壁に向ける |
音量は、一番大きい |
音量は中程度 |
実験環境は和室で、C-3と122RVで実験しました。レスリーの裏蓋はアッパーコンパートメントもロワーコンパートメントも外しています。真ん中のコンパートメントは、もちろん外していません。実験は、住宅密集地で出せる音量の範囲で行っていますので、より大きな音で実験すると、若干結果は変わると思います。結果は、これらの実験環境によって大きく左右されると思いますので、あくまでも上記の結果は参考ですが、いくつかポイントがありますので、下記に列挙します。
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レスリーの裏側の蓋を外すと、ロータが回転しているのが見えるので、多くの人は外していると思いますが、これによって、メカニカルノイズ、リレーの動作音などがけっこう聞こえるというデメリットがあります。ただし、視覚的な効果はおおいにあります。
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高域のFAST/SLOWの差がぼやけるというのは、聴感上よりも上記の視覚的な効果によって、そう感じでしまうのかもしれませんが、壁に向けることによって直接的に聞こえる音は少なくなり、反射音の比率が高まりますので、このように聞こえるのかと思います。
・ 高域については、反射音が多く聞こえるほどなめらかな音に聞こえました。
・ 低域については、回りこみがけっこうあるので、高域ほどの音質の違いはありませんが、音の大きさが異なります。
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この実験では、部屋の角に置いたときに豊な低音が出ましたが、これは、開口部から出た音が壁に当たり大きな響板の役目をしているためと思われます。また、聞く人の位置によってもかなり変わります。聴く人が、部屋の角にいると低域が大きく聞こえ、角以外にいると相対的に小さめに聞こえるようです。
オルガンギグをレスリーを背負うような形で聴いたことがありますが、直接音しか耳に入らないので疲れるのと、他の楽器とのバランスも崩れているので、ベストポジションではありませんでした。今回の実験の結果とも一致するものがあります。
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